相続税の無料相談、どこまで聞ける?相談前に準備すべき3つのこと

ご家族が亡くなられ、深い悲しみの中、間もなくやってくるのが「相続」という現実的な手続きです。特に「相続税」については、「申告は必要なの?」「税金はいくら?」といった疑問に加え、「そもそも、誰に、何を相談すればいいのか分からない」という不安を抱える方がほとんどです。
多くの税理士事務所が設けている「相続税の無料相談」は、そんなあなたの最初の道しるべとなる、非常に重要な機会です。
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。私は全国の税理士の先生方から、相続の無料相談に来られる方が、準備不足から的確なアドバイスを受けられずに終わってしまうケースが多い、という話をよく耳にします。限られた時間の中で、あなたの不安を解消し、信頼できる専門家を見極めるには、事前の「準備」が何よりも大切です。
この記事では、あなたが相続税の無料相談を最大限に活用するために、相談前に準備すべき3つのことと、相談の場でどこまで聞いて良いのか、そして専門家の実力を見抜くための質問リストまで、プロの視点から詳しく解説します。
相続税の無料相談で「どこまで」聞けるのか?
まず、無料相談で可能なことの範囲を理解しましょう。「無料だから…」と遠慮する必要はありませんが、相談の目的をはき違えると、有意義な時間になりません。
聞いても良いこと(むしろ聞くべきこと)
- 我が家の場合、そもそも相続税の申告が必要になりそうか、その概算
- 事務所の相続税申告の実績や、得意な分野について
- もし依頼した場合の、料金体系とサービス内容の詳細
- 今後の手続きの全体的な流れとスケジュール感
難しいこと(有料相談や契約後の業務)
- 正確な納税額の計算
- 具体的な遺産分割案の作成
- 申告書の作成代行
無料相談は、あなたのご状況を専門家が診断し、今後の方針と、その事務所がどうサポートできるかを提示してもらう場だと考えましょう。
準備編相談前に必ず用意すべき「3つのこと」

たった1時間の無料相談を、何倍も有意義なものにするための準備は、決して難しくありません。以下の3つを揃えるだけで、税理士からのアドバイスの精度が格段に上がります。
1.「亡くなった方の財産リスト」の作成
正確な金額でなくても構いません。「だいたい、これくらい」という概算で良いので、亡くなった方(被相続人)の財産を一覧にしてみましょう。
- 預貯金どの銀行に、およそいくらあるか。
- 不動産自宅の土地・建物、アパート、畑など。固定資産税の納税通知書があれば完璧です。
- 有価証券どの会社の株を、およそいくら分持っているか。
- 生命保険誰が受取人になっている、いくらの死亡保険金か。
- 借金やローン住宅ローンなどの負債。
これがあるだけで、税理士は「申告が必要か」「税額はどれくらいか」という最も重要な点を、その場で概算することができます。
2.「相続人関係図」の作成
誰が相続人になるのかを、簡単な図で示しましょう。亡くなった方を中心に、配偶者、子供、孫、兄弟姉妹などを線で結んだ簡単な家系図のようなものです。相続人が誰で、何人いるのかが分かると、相続税の基礎控除額が計算でき、税額のシミュレーション精度が上がります。
3.「聞きたいこと・不安なこと」のメモ
相続に関する疑問や不安は、多岐にわたります。「実家をどう分ければいいか」「納税資金が足りるか心配」「名義預金かもしれないものがある」など、どんな些細なことでも構いません。事前に箇条書きにしておき、相談の場で漏らさず質問できるように準備しましょう。
実践編信頼できる税理士か見抜くための質問リスト
準備した資料を基に、以下の質問を投げかけてみてください。その回答から、相手が本当に相続に強い専門家なのか、その実力とスタンスが見えてきます。
- 相続税の申告実績について
「先生の事務所では、年間に何件くらいの相続税申告を手がけていますか?」 - 土地の評価について
「(自宅の資料を見せながら)この土地の場合、評価額を下げるようなポイントはありそうでしょうか?」 - 料金体系とサービス範囲について
「もしお願いした場合、基本報酬にはどこまでの業務が含まれますか?戸籍収集や、税務調査の立会いは別料金ですか?(料金体系の詳細はこちらの記事で詳しく解説)」 - 他の専門家との連携について
「もし遺産分割で揉めてしまった場合、弁護士の先生をご紹介いただくことは可能ですか?」 - あなたへの問いかけについて
税理士から、「ご家族の皆様は、今後この財産をどうしていきたいですか?」といった、あなたの家族の「未来」に関する問いかけがあるかどうかも、重要なポイントです。数字だけでなく、家族の想いに寄り添ってくれる姿勢があるかを見極めましょう。
「相続税の無料相談」まとめ
- 相続税の無料相談は、「申告が必要か」「費用はいくらか」「誰に頼むか」を見極める重要な機会。
- 事前に「財産リスト」「相続人関係図」「質問メモ」の3つを準備するだけで、相談の質が飛躍的に向上する。
- 相談時には、申告実績(件数)、土地評価への見識、料金の透明性などを具体的な質問で確認する。
- 数字だけでなく、家族の未来や想いに寄り添う姿勢があるかも、良い税理士を見抜く大切なポイント。
ご家族を亡くされた直後の大変な時期だからこそ、手続きの負担は専門家に任せ、心穏やかに過ごす時間を確保することも大切です。無料相談は、そのための第一歩です。この記事を参考に、万全の準備で臨み、あなたとご家族にとって最も信頼できるパートナーを見つけてください。
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