個人事業主は売上いくらで税理士に頼むべき?依頼するメリットと費用相場
個人事業主として事業が軌道に乗り始めると、日々の業務に加えて、請求書の発行、経費の計算、帳簿の記録といった経理作業に追われるようになります。特に、年に一度の確定申告の時期は、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
「事業は順調だけど、税理士に頼むのはまだ早いだろうか?」「費用を払ってまで、依頼するメリットはあるの?」
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。私自身も20年にわたり事務所を経営し、多くの個人事業主の方が事業を成長させていく過程を見てきました。その中で、皆さんほぼ同じタイミングで「税理士に頼むべきか」という問題に直面します。
この記事では、そんな個人事業主のあなたのために、「税理士に依頼する具体的なタイミング」と、費用対効果を含めた「メリット」、そして気になる「費用相場」まで、プロの視点から分かりやすく解説していきます。
2つの明確なタイミング「売上1000万円」と「所得400万円」
「いつ税理士に頼むべきか?」という問いに対する、最も分かりやすい答えは2つあります。それは「売上が1000万円を超えたとき」と「所得が400万円を超えたとき」です。
1.「売上1000万円」の壁
年間売上が1000万円を超えると、その2年後から「消費税の課税事業者」となり、消費税の申告・納税義務が発生します。消費税の計算は非常に複雑で、簡易課税制度やインボイス制度など、専門的な知識がなければ正確な申告は困難です。このタイミングで税理士に依頼する方が大半であり、ある意味、税理士への依頼を検討する最初の大きな節目と言えます。
2.「所得400万円」の壁
「所得」とは、売上から経費を差し引いた利益のことです。この所得が400万円を超えてくると、税理士に依頼するメリットが、支払う費用を上回り始めるケースが多くなります。所得が増えるほど納税額も大きくなるため、税理士による的確な節税アドバイスの効果が大きくなるからです。また、このくらいの所得になると「法人化(法人成り)」を検討する方が増えますが、そのシミュレーションや判断にも専門家のアドバイスは不可欠です。
税理士に依頼する3つの大きなメリット
税理士費用はコストではなく「投資」です。具体的にどのようなリターンがあるのか、3つのメリットを見ていきましょう。
- 財務の明確化と「成長への羅針盤」
個人で事業をしていると、「今のペースで本当に大丈夫だろうか?」「お金は足りているのか?」といった漠然とした不安が常につきまといます。税理士に毎月の試算表を作成してもらう最大のメリットは、この不安を解消できることです。
数字を見ることで、「今、事業のお金が足りているのか。足りていないなら、いくら足りないのか」がはっきりと分かります。
これは単に不安がなくなるということではありません。「あと〇〇円の売上が必要だ」「この経費を〇〇円削減しよう」といった具体的な目標に変わるのです。この明確な羅針盤こそが、あなたの事業を成長に繋げる最大の武器となります。 - 手残りを増やす「的確な節税」
節税には、青色申告特別控除、減価償却の特例、小規模企業共済など様々な方法がありますが、ご自身の状況に合わせて最適な方法をすべて実行するのは簡単ではありません。税理士は、あなたの事業内容を理解した上で、漏れなく、かつ合法的な節税策を提案してくれます。結果として、税理士費用を支払っても、手元に残るキャッシュが増えるケースは少なくありません。 - 本業に集中できる「時間の創出」
確定申告の時期、あなたは帳簿の整理や申告書の作成に何時間費やしていますか?もし、その数十時間を本業の営業や制作活動に使えたら、どれくらいの売上を生み出せるでしょうか。税理士に面倒な作業を任せることで、あなたは創業者にしかできない、より価値の高い仕事に集中できます。これも大きなメリットです。
個人事業主が税理士に頼むときの費用相場
では、実際に個人事業主が税理士に依頼した場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。依頼内容別に見ていきましょう。
- 確定申告のみ(スポット契約)
【相場】5万円~15万円程度
【内容】帳簿の最終チェック、決算書の作成、確定申告書の作成・提出。日々の記帳は自分で行う方向けです。 - 記帳代行+確定申告
【相場】月額1万円~ + 申告料5万円~
【内容】経理作業から完全に解放されたい方向けです。 - 顧問契約
【相場】月額2万円~3万円程度(記帳代行・申告料込みの場合が多い)
【内容】事業をさらに成長させたい、いつでも相談できるパートナーが欲しい方向けです。
こんな個人事業主は、今すぐ税理士に相談を!
もし、あなたが以下の項目に一つでも当てはまるなら、一度税理士に相談してみることを強くお勧めします。
- もうすぐ売上が1000万円を超えそうだ
- 確定申告のやり方が分からず、毎年ストレスを感じている
- 節税の方法を知りたいが、何から手をつけていいか分からない
- 法人化(法人成り)を少しでも考えている
- 融資を受けて事業を拡大したいと考えている
「個人事業主と税理士」まとめ
- 個人事業主が税理士に依頼するタイミングは「売上1000万円」と「所得400万円」が大きな目安。
- 税理士に依頼するメリットは「財務の明確化」「的確な節税」「時間の創出」の3つ。
- 費用は依頼内容によって様々だが、確定申告だけなら5万円から依頼可能。
- 事業の成長や法人化を考えているなら、いつでも相談できる顧問契約がおすすめ。
税理士への依頼は、単なる経費ではなく、あなたの事業を次のステージへ進めるための戦略的な投資です。まずは無料相談などを活用して、あなたの事業を理解し、共に歩んでくれるパートナーとなり得るか、話を聞いてみてはいかがでしょうか。
当サイト「税理士コラボネット」では、私、小林が直接お話を伺い、特に個人事業主やフリーランスの支援に強い、信頼できる先生方をご紹介しています。あなたの事業の成長を加速させる、最高のパートナー探しをお手伝いできれば幸いです。
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