【プロの視点で斬る】良い税理士・ダメな税理士の見分け方|数多くの事務所を見てきた私が教える7つのポイント

税理士選びは、経営者が下す最も重要な意思決定の一つです。良い税理士はあなたの事業を加速させますが、もし相性の悪い、あるいは能力の低い税理士を選んでしまえば、事業の足かせとなり、時にはリスクに晒すことさえあります。
しかし、ホームページを見ても、どの事務所も立派なことばかり書いてあります。一体、何を基準にその「本質」を見抜けば良いのでしょうか?
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。私はこれまで、全国の数多くの税理士事務所の先生方や、その顧問先である経営者の方々と直接お話をしてきました。その中で、お客様から長く深く信頼される「良い税理士」と、残念ながら不満の声が上がってしまう「ダメな税理士」には、いくつかの明確な違いがあることに気づきました。
この記事では、あなたが絶対に後悔しないパートナー選びをするために、私が数多くの事務所を見てきた中で確立した、「良い税理士」と「ダメな税理士」を分ける7つの見分け方を、プロの視点で鋭く解説します。
料金や近さだけで選んではいけない理由
本題に入る前に、多くの方が陥りがちな間違いについてお話しします。それは、「料金の安さ」や「事務所の近さ」だけで税理士を選んでしまうことです。
もちろん料金は重要ですが、一番安い税理士が、あなたの会社にとって一番貢献してくれるとは限りません。むしろ、節税提案の不足や対応の遅さによって、結果的に高くつくケースさえあります。また、クラウド会計やオンライン面談が主流の現代において、物理的な距離の重要度は下がっています。それよりも、これからお話しする7つのポイントの方が、はるかに重要です。ちなみに、信頼性の確認として、国税庁の「税理士の懲戒処分」ページで過去に問題を起こしていないか確認するのも一つの方法です。
良い税理士・ダメな税理士を分ける7つの見分け方

初回相談などの場(こちらの記事で解説している準備も忘れずに)で、以下の7つのポイントを意識して相手を観察してみてください。
1.レスポンスの速さと誠実さ
良い税理士: 問い合わせメールへの返信が速い(24時間以内が目安)。すぐ答えられない場合でも、「〇〇の件、確認して明日中に回答します」といった一次返信をくれる。
ダメな税理士: メールを送っても数日間返信がない。電話をしても折り返しが遅い。これは、あなたの会社に対する関心の低さや、業務管理能力の欠如を示唆しています。
2.説明の分かりやすさ
良い税理士: 専門用語を避け、たとえ話や図を使いながら、素人にも理解できるよう丁寧に説明してくれる。あなたの理解度を確認しながら話を進めてくれる。
ダメな税理士: 専門用語を一方的に話し、こちらの質問を面倒くさがる。「先生」と呼ばれて、上から目線になっているタイプに多いです。
3.未来への関心
良い税理士: 過去の決算書を見るだけでなく、「社長の3年後の目標は何ですか?」「今後、事業をどう拡大していきたいですか?」といった、会社の「未来」に関する質問を積極的にしてくる。
ダメな税理士: 会話が過去の数字の確認や、税務申告という事務作業の話だけで終わってしまう。あなたの事業の成長に興味がありません。
4.デメリットやリスクの説明
良い税理士: 節税策を提案する際に、「この方法は節税効果が高いですが、税務調査で指摘されるリスクもゼロではありません」というように、必ずメリットとデメリットを両方説明してくれる。
ダメな税理士: 「絶対に儲かる」「100%節税できる」といった、メリットばかりを強調する。リスクを説明しないのは、不誠実であるか、単に知識が不足しているかのどちらかです。
5.提案力と積極性
良い税理士: あなたが気づいていないような、新しい補助金制度や法改正の情報を proactively(積極的に)提供してくれる。「こんな方法で経理を効率化できますよ」といった業務改善の提案もしてくれる。
ダメな税理士: こちらから質問しない限り、何も言ってこない。常に受け身で、言われたことしかやらない「作業代行者」に留まります。
6.IT・クラウドへの対応力
良い税理士: freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトに精通しており、チャットツールでの迅速なコミュニケーションにも対応している。
ダメな税理士: いまだに紙ベースのやり取りを要求したり、「クラウド会計はよく分からない」と言ったりする。あなたの会社の生産性を下げる原因になります。
7.専門家ネットワーク
良い税理士: 法律問題や労務問題など、自身の専門外の相談をされた際に、「それなら、知り合いに良い弁護士(社会保険労務士)がいますよ」と、すぐに他の専門家を紹介してくれる。
ダメな税理士: 「それは私の専門外なので分かりません」と、そこで会話を終えてしまう。あなたの会社の課題を、自分ごととして捉えていません。
「良い税理士・ダメな税理士の見分け方」まとめ
- 税理士選びは、料金や距離といった表面的な情報だけで判断してはいけない。
- レスポンスの速さ、説明の分かりやすさといった、基本的なコミュニケーション能力が最初の判断基準となる。
- 「良い税理士」は、過去の数字だけでなく、会社の「未来」に興味を持ち、積極的に提案をしてくれる。
- 節税などのメリットだけでなく、デメリットやリスクまで正直に話してくれるかどうかが、誠実さの証。
- ITへの対応力や、他の専門家とのネットワークも、現代の経営パートナーとして必須の能力。
税理士は、一度契約すると長い付き合いになる、重要なパートナーです。だからこそ、契約前の見極めが何よりも大切です。ぜひ、この記事の7つのポイントを「面接のチェックリスト」として活用し、あなたの事業を心から応援してくれる、最高のパートナーを見つけてください。
当サイト「税理士コラボネット」は、まさにこの「見極め」のステップをサポートするためにあります。ご紹介する先生方が、これらの条件を満たしているか、私たちがプロの視点で常に確認しています。
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