税理士の無料相談を120%活用する準備と質問リスト|プロが必ず確認すべきこと

税理士を探す際、多くの事務所が設けている「無料相談」。これは、契約前に税理士の人柄や能力を直接確認できる、非常に貴重な機会です。しかし、「何を話せばいいか分からない」「何を聞けばいいか見当もつかない」と、その機会を十分に活かしきれていない方が非常に多いのが実情です。
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。私は全国の税理士の先生方とお話する中で、「無料相談の場で、経営者の方がもっとこういう準備をしてきてくれたら、より深いアドバイスができるのに…」という声を頻繁に耳にします。
無料相談は、単なる顔合わせの場ではありません。あなたの準備次第で、その後の顧問契約、ひいては事業の未来さえも左右する重要な「戦略会議」になり得るのです。
この記事では、あなたが税理士の無料相談を120%活用し、最高のパートナーを見つけ出すための「完全準備マニュアル」をお届けします。具体的な準備から、プロが必ず確認すべき「魔法の質問リスト」まで、網羅的に解説します。
大前提無料相談は、あなたが税理士を「面接」する場である
まず、心構えとして最も大切なことをお伝えします。無料相談は、「税理士に相談に乗ってもらう」場であると同時に、「あなたが、自社の重要なパートナーとなる候補者を『面接』する場」であるということです。
受け身の姿勢で臨むのではなく、「この人は、自社の成長に貢献してくれる人材だろうか?」という経営者の視点で、相手を冷静に観察・評価することが、成功の第一歩です。この意識を持つだけで、相談の質は格段に変わります。
無料相談で「どこまで」聞ける?聞いても良いこと・悪いこと
「無料なのに、こんなことまで聞いていいのかな?」と遠慮してしまう方もいますが、心配は無用です。以下のことについては、遠慮なく質問して問題ありません。国税庁が設ける税に関する相談窓口との違いも意識すると良いでしょう。
- 聞いても良いこと(むしろ聞くべきこと)
事務所の得意な業種や、実績について
料金体系の詳細と、サービス内容の範囲
担当者が誰になるのか、コミュニケーションの方法
あなたの事業に対する、税理士としての第一印象やアドバイス - 聞くべきではないこと
具体的な申告書の作成方法や、詳細な節税計算
他の税理士事務所の悪口や批判
無料相談は、具体的な税務処理を代行してもらう場ではなく、あくまで「あなたと、その税理士事務所が、良きパートナーになれるか」を見極める場です。この線引きを理解しておきましょう。
ステップ1相談前に必ず準備すべき「3つの資料」

「手ぶらで行って、口頭で説明すればいいや」と考えているなら、それは大きな間違いです。限られた時間(多くは60分程度)で的確なアドバイスを引き出すには、あなたの会社の状況を客観的に示す資料が不可欠です。
1.過去2~3期分の「決算書・確定申告書」
これは、会社の「健康診断書」です。これがあれば、税理士はあなたの会社の売上規模、利益率、財務状況などを一目で把握できます。もしあなたが「売上を伸ばしたい」と相談すれば、税理士はこれらの数字を元に、より具体的で実践的なアドバイスを考えることができるのです。
2.会社の概要がわかる資料
立派なパンフレットである必要はありません。あなたの会社が「誰に」「何を」「どのように」提供しているのかが1枚でわかる簡単な資料(サービス案内、ウェブサイトのコピーなど)で十分です。これにより、税理士はあなたのビジネスモデルを素早く理解できます。
3.「相談したいこと・質問したいこと」のメモ
無料相談の場で、緊張して聞きたかったことを忘れてしまった、というケースはよくあります。事前に聞きたいことを箇条書きでメモしておき、それを持参するだけで、相談の漏れがなくなり、時間を有効に使えます。
ステップ2プロが必ず確認すべき「魔法の質問リスト10選」

資料の準備ができたら、次は何を質問するかです。以下の10個の質問は、税理士の能力、経験、そしてあなたとの相性を見抜くために、私が数多くの経営者や税理士の先生方から聞いてきた、特に効果的な質問です。
- 先生の事務所の「一番の強み」は何ですか?
- 私と同じような業種・規模のお客様は、何社くらい担当されていますか?
- (決算書を見せながら)この数字を見て、うちの会社の「課題」はどこにあると思われますか?
- 月々の顧問料には、どこまでのサービスが含まれていますか?記帳代行や年末調整など料金体系の詳細(こちらの記事で詳しく解説しています)は別料金ですか?
- もし顧問契約を結んだ場合、私の会社の担当はどなたになりますか?
- 普段のコミュニケーションは、どのような手段(電話、メール、チャットなど)がメインになりますか?
- 先生が考える、効果的な節税対策にはどのようなものがありますか?
- 融資を受けたい場合、事業計画書の作成などもサポートしていただけますか?
- 税務調査の際の基本方針や、実績について教えていただけますか?
- 弁護士や司法書士など、他の専門家とのネットワークはお持ちですか?
これらの質問を投げかけることで、相手の回答から、その事務所が本当にあなたの事業フェーズやニーズに合っているか、深く見極めることができます。
ステップ3相談後の「見極め」と「断り方」

良い無料相談は、相談中だけでなく、終わった後も重要です。
相談後のチェックポイント
- 相談後のフォローアップ(お礼メールなど)はあったか?
- 見積書の提示はスピーディーで、内容は分かりやすかったか?
- 相談中に感じた「この人なら信頼できる」という直感は変わらないか?
複数の事務所と面談した場合、これらの点を比較検討することで、最適な一社を選ぶことができます。
スマートな断り方
もし、「この事務所は合わないな」と感じた場合は、正直に、しかし丁寧に断りの連絡を入れましょう。「今回は、他の事務所様と契約することになりましたので、またの機会によろしくお願いいたします」といったシンプルな内容で十分です。お互いの貴重な時間を使ったのですから、感謝の意を伝えるのがマナーです。
「税理士の無料相談 活用術」まとめ
- 無料相談は、あなたが税理士を「面接」する意識で臨むことが最も重要。
- 過去の申告書、会社概要、質問リストの3点を準備するだけで、相談の質は劇的に向上する。
- 「事務所の強み」や「担当者」、「未来へのアドバイス」など、プロが必ず確認すべき質問を投げかける。
- 相談後のフォローや見積もりの内容も、重要な判断材料となる。
税理士との顧問契約は、一度結ぶと長い付き合いになります。だからこそ、最初の「無料相談」という機会を最大限に活用し、心から信頼できるパートナーを見つけ出すことが、あなたの事業の未来を明るく照らす第一歩となるのです。
当サイト「税理士コラボネット」では、無料相談に親身に対応してくれる先生方を多数ご紹介しています。この記事の準備リストと質問リストを手に、ぜひ最高のパートナー探しの旅に出かけてみてください。
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