クラウド会計(freee/MF)を導入している会社の賢い税理士の選び方と費用

freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトを導入し、日々の経理業務(自計化)はスムーズに進んでいる。しかし、そのデータをどう経営に活かせば良いのか、そして、このデータを基に税理士に依頼する場合、顧問料は一体どうなるのか、という新たな疑問が生まれていませんか?
「クラウド会計を使っているのだから、税理士の顧問料は安くなるはずだ」「データは全て共有できるのに、どんな付加価値を提供してくれるのだろう?」
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。クラウド会計の普及は、税理士業界にも大きな変化をもたらしました。全国の税理士の先生方とお話ししていても、クラウド会計への対応力によって、提供できるサービスや料金体系が二極化していると感じます。
この記事では、既にクラウド会計を導入している、ITリテラシーの高いあなたのために、そのメリットを最大限に引き出すための「賢い税理士の選び方」と、誰もが気になる「費用交渉のコツ」まで、プロの視点で徹底解説します。
目次
クラウド会計時代の税理士の役割とは?「作業代行」から「経営参謀」へ
まず理解すべきは、クラウド会計の登場によって、税理士に求められる役割が根本的に変わったということです。
- 従来の税理士の役割
お客様から領収書や通帳のコピーを預かり、会計ソフトに入力し(記帳代行)、過去の数字を整理・申告することが主な仕事でした。 - クラウド時代の税理士の役割
日々の記帳は、銀行口座やクレジットカードと連携したクラウド会計ソフトが自動で行います。そのため、税理士は面倒な入力作業から解放され、リアルタイムで更新される経営データを分析し、「未来の経営」についてアドバイスすることが、新たな、そして本来あるべき役割となったのです。
あなたが探すべきは、後者の「経営参謀」としての役割を担ってくれる税理士です。
クラウド会計に強い税理士を見分ける3つのチェックポイント

では、どうすればクラウド会計の価値を本当に理解している税理士を見つけられるのでしょうか。無料相談などの場で、以下の3つの点を確認してみてください。
1.「認定アドバイザー」の資格を持っているか
freeeやマネーフォワードには、そのソフトに精通した税理士を認定する「認定アドバイザー」や「公認メンバー」といった制度があります。これは、税理士がクラウド会計に対して専門知識を持ち、積極的に活用していることを示す客観的な証拠となります。
2.導入・運用サポートの実績が豊富か
「認定アドバイザーです」と名乗っていても、実際のサポート経験が少なければ意味がありません。「これまで何社くらいのクラウド会計導入をサポートされましたか?」「導入後、どのような形で業務が効率化された事例がありますか?」といった具体的な質問を投げかけ、経験の深さを測りましょう。
3.データに基づいた「未来志向」の提案をしてくれるか
これが最も重要です。あなたの会社のリアルタイムデータを見て、「このペースだと、3ヶ月後に資金がショートする可能性がありますね」「売上に対する広告費の割合が業界平均より高いので、見直しませんか?」といった、過去の整理ではなく、未来に向けた具体的なアドバイスをしてくれるかどうかが、真のパートナーを見極める最大のポイントです。
【費用交渉のコツ】顧問料は本当に安くなるのか?

「クラウド会計で記帳の手間が省けるのだから、顧問料は安くなるはずだ」と考えるのは、至極当然のことです。この点について、プロの視点から解説します。
結論:記帳代行料は安くなるが、顧問料の価値は変わる
あなたがこれまで、記帳代行もセットで税理士に依頼していたのであれば、クラウド会計の導入で記帳代行料(月額1~3万円程度)の部分は削減できる可能性が非常に高いです。
しかし、前述の通り、クラウド時代の税理士の価値は「未来へのアドバイス」にあります。そのため、「記帳代行は不要になったので、その分、経営分析や節税提案の時間を増やしてください」という形で、料金を下げるのではなく、サービスの質を高める方向で交渉するのが、最も賢い選択と言えるでしょう。
費用交渉を有利に進めるためのアピールポイント
- 「当社の経理は、銀行・カード連携により、ほぼリアルタイムでデータが反映されています」
- 「月次での締め作業も、社内で完結できる体制が整っています」
- 「先生には、このデータを基にした経営分析と、未来の資金繰りに関するアドバイスを期待しています」
このように、自社がどれだけ効率的な経理体制を築いているかをアピールし、その上で税理士に求める役割を明確に伝えることで、お互いが納得できる、価値に見合った顧問料を設定することが可能になります。
「クラウド会計導入後の税理士選び」まとめ
- クラウド会計の導入により、税理士の役割は過去の数字を整理する「作業代行」から、未来を分析する「経営参謀」へと変化した。
- 「認定アドバイザー」の資格や、データに基づいた未来志向の提案力が、クラウドに強い税理士を見分けるポイント。
- クラウド会計を導入すれば、記帳代行料分の費用削減は期待できる。
- 賢い費用交渉とは、単なる値引き要求ではなく、削減された作業時間を、より付加価値の高いサービス(経営分析など)に充ててもらうこと。
クラウド会計は、単なる経理ソフトではありません。それは、あなたの会社と税理士を繋ぎ、経営を次のステージへと引き上げるための強力なプラットフォームです。ぜひ、その価値を120%引き出してくれる最高のパートナーを見つけてください。
当サイト「税理士コラボネット」では、クラウド会計に精通し、未来志向の経営サポートを得意とする、先進的な先生方を多数ご紹介しています。
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