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副業の確定申告はいくらから必要?会社にバレない方法はある?

2025年12月7日

「副業を始めたいけど、会社にバレるのが怖い…」
「売上がいくらになったら確定申告が必要なの?」
「20万円以下なら申告しなくていいって本当?」

こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。働き方改革によって副業を解禁する企業が増えていますが、それでも「会社には内緒にしておきたい」と考える方は依然として多いようです。また、税金のルールが複雑で、知らず知らずのうちに「無申告」になってしまわないか不安を感じている方も少なくありません。

この記事では、副業をしているサラリーマン・OLの方が最も知りたい「確定申告が必要になるボーダーライン」と、会社に副業がバレてしまう「本当の原因と対策」について、専門家の視点から徹底解説します。

ネット上の「20万円以下なら申告不要」という情報の落とし穴や、住民税の仕組みを正しく理解して、安心して副業に取り組めるようになりましょう。

副業の確定申告はいくらから?「20万円ルール」の落とし穴

まず、確定申告が必要かどうかの判断基準について解説します。よく耳にする「年間20万円」という数字ですが、ここには大きな誤解が含まれていることが多いので注意が必要です。

基準は「売上」ではなく「所得(売上-経費)」

確定申告が必要になるのは、副業の「所得」が年間20万円を超えた場合です。「売上」ではありません。

  • 所得 = 売上(収入) - 必要経費

例えば、副業の売上が年間50万円あっても、そのために使った経費(仕入れ、パソコン代、通信費など)が35万円あれば、所得は15万円です。この場合、所得税の確定申告は不要となります。逆に、売上が25万円でも経費が1万円しかなければ、所得は24万円となり、申告が必要です。

【重要】所得税は20万円以下なら不要だが、住民税は申告が必要!

ここが最大の落とし穴です。「所得が20万円以下なら申告しなくていい」というのは、あくまで国に納める「所得税」の話です。
地方自治体に納める「住民税」には、この20万円ルールはありません。

副業の所得が1円でもあれば、別途、お住まいの市区町村役場に対して「住民税の申告」を行う必要があります。これを忘れると、住民税の決定通知が会社に届いた際に計算が合わず、副業がバレる原因になったり、後から役所から問い合わせが来たりする可能性があります。
「20万円以下だから何もしなくていい」は間違いです。必ず住民税の申告を行いましょう。

なぜ副業は会社にバレる?最大の原因は「住民税」

「会社の人に見られたわけでもないのに、なぜか経理部に副業がバレた」
このようなケースのほとんどは、「住民税」が原因です。マイナンバーからバレるわけでも、税務署が会社に連絡するわけでもありません。仕組みを理解しましょう。

会社の給料から天引きされる「特別徴収」の仕組み

サラリーマンの場合、住民税は毎月の給料から天引きされています。これを「特別徴収」と言います。
毎年5月~6月頃、市区町村役所から会社に対して、「あなたの会社の〇〇さんの今年の住民税は月額〇〇円なので、給料から天引きして納めてください」という通知書(住民税決定通知書)が届きます。

住民税額が増えると、経理担当者に「他からの収入」が疑われる

この住民税額は、前年の「総所得(会社給与+副業所得)」に基づいて計算されます。
もしあなたが副業で稼いでいると、会社からの給与だけの場合に比べて、住民税額が高くなります。

経理担当者は、社員の給与額を知っていますから、「この給料なら住民税はこのくらいのはずなのに、通知書の金額が妙に高いな?」と気づきます。これが、副業がバレる最大のパターンです。

会社にバレないための対策:確定申告書の「ある欄」にチェック

では、どうすれば住民税からバレるのを防げるのでしょうか。その答えは、確定申告書の作成時にあります。

住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」にする

確定申告書には、「住民税・事業税に関する事項」という欄があります。その中に、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」を選択する項目があります。

ここで「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れてください。

これを選択すると、以下のようになります。

  • 会社からの給与分の住民税 ⇒ 会社に通知され、給与天引き(特別徴収)
  • 副業分の住民税 ⇒ 自宅に納付書が届き、自分でコンビニや銀行で支払う(普通徴収)

と、税金の支払いが分けられます。
これにより、会社に届く通知書には「会社給与分の住民税額」しか記載されないため、経理担当者に怪しまれることなく、副業分の税金を支払うことができます。

※ただし、副業が「アルバイト(給与所得)」の場合は、原則として主たる給与と合算して特別徴収されるルールになっている自治体が多く、この方法は使えない(普通徴収を選べない)ケースが多いため注意が必要です。この対策が有効なのは、主に「雑所得」や「事業所得」となる副業(アフィリエイト、転売、ライター、ウーバーイーツなど)の場合です。

ふるさと納税をしている場合の注意点(ワンストップ特例は使えない?)

確定申告を行うと、ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」は無効になります。
副業の確定申告をする場合は、ワンストップ特例を申請していても、確定申告書の中で改めて「寄附金控除」としてふるさと納税分を申告する必要があります。
これを忘れると、ふるさと納税の控除が受けられなくなってしまうので、絶対に忘れないようにしましょう。

副業でも経費は重要!所得を圧縮して税金を下げる

副業の税金を減らし、手元に残るお金を増やすためには、「経費」の計上が欠かせません。また、経費を増やして所得を20万円以下に抑えられれば、所得税の確定申告の手間を省くことも可能です(住民税の申告は必要ですが)。

家賃やネット代の家事按分は副業でも有効

自宅で副業をしている場合、家賃や電気代、インターネット通信費の一部を経費にすることができます。これを「家事按分(かじあんぶん)」と言います。
例えば、自宅の床面積の20%を副業スペースとして使っているなら、家賃の20%を経費計上できます。スマホ代なども、副業で使用する割合に応じて経費化しましょう。
詳しい経費の考え方については、こちらの記事も参考にしてください。
個人事業主の節税対策ベスト10 | 伸びている経営者が必ずやっているキャッシュ最大化術

レシート管理にクラウド会計ソフト(freee/MF/弥生)が役立つ理由

副業とはいえ、領収書やレシートを溜め込んで年末にまとめて計算するのは大変です。また、家事按分などの計算を手動でやるのもミスのもとです。
そこでおすすめなのが、クラウド会計ソフトの導入です。
銀行口座やクレジットカードを連携させておけば、副業の売上や経費が自動で取り込まれます。スマホアプリでレシートを撮影するだけで経費登録ができる機能もあり、忙しいサラリーマンの副業には最適です。
月額1,000円程度から利用でき、確定申告書も自動で作成できるため、税理士に頼むほどではない副業レベルの方には必須のツールと言えるでしょう。
【個人事業主編】freee・MF・弥生 3大クラウド会計ソフトを徹底比較!

確定申告を「しない」とどうなる?無申告のリスク

「バレなきゃいいや」「少額だから大丈夫」と甘く見て、必要な確定申告をしない(無申告)でいると、後で手痛いしっぺ返しを食らうことになります。

延滞税・無申告加算税のペナルティ

税務署の調査で無申告が発覚すると、本来納めるべき税金に加え、以下のペナルティが課されます。

  • 無申告加算税: 本来の税額に対して15%~20%上乗せ。
  • 延滞税: 納付期限からの遅れ日数に応じた利息的な税金。
  • 重加算税: 悪質(隠蔽・仮装)と判断された場合、最大40%の重い税金。

副業で稼いだ利益がすべて吹っ飛ぶどころか、マイナスになる可能性すらあります。

将来のローン審査などへの影響

確定申告をしていないということは、公的な所得証明(課税証明書)に副業分の収入が反映されないということです。
将来、住宅ローンや事業資金の融資を受けようとした際に、「収入が少ない」と判断され、審査に通りにくくなる可能性があります。正しく申告して所得を証明することは、あなた自身の社会的信用を守ることにも繋がります。

「副業の確定申告とバレない対策」まとめ

  • 申告基準:所得(売上-経費)が20万円超なら確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は必須。
  • バレる原因:住民税の特別徴収(給与天引き)額が増えることで経理に気づかれる。
  • 対策:確定申告書の「住民税に関する事項」で「自分で納付(普通徴収)」を選択する。
  • 注意点:アルバイト(給与所得)の副業は普通徴収にできないケースが多い。
  • 推奨:クラウド会計ソフトで経費を管理し、正しく申告することでリスクを回避する。

副業は、正しく申告すれば怖くありません。むしろ、経費を使えるメリットを享受しながら、資産形成を加速させる強力な手段になります。
「バレるかも」とビクビクするのではなく、正しい知識で堂々と稼ぎましょう。

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「副業の税金」に関するよくある質問

A.自宅の不用品(着なくなった服、読まなくなった本など)を売っただけであれば、金額に関わらず「生活用動産の譲渡」として非課税になり、確定申告は不要です。ただし、転売目的で仕入れた商品を販売したり、ハンドメイド作品を継続的に販売して利益(所得)が20万円を超えた場合は、雑所得として確定申告が必要です。

A.副業が「事業所得」として認められるレベルであれば、赤字を本業の給与所得と相殺(損益通算)して、払いすぎた税金を取り戻せるため、申告した方がお得です。しかし、一般的な副業の多くは「雑所得」に該当します。雑所得の赤字は、給与所得との損益通算ができません。 そのため、赤字であれば税金は発生せず、確定申告をするメリットも基本的にはありません。

A.現時点では、マイナンバーを通じて会社が従業員の副業情報を直接照会することはできません。マイナンバーは主に行政機関が税金や社会保険の情報を管理するために使われます。会社にバレる原因は、あくまで「住民税額の通知」です。

A.バレる可能性は低くなりますが、絶対ではありません。支払った側の会社が税務署に「支払調書」を提出していたり、その会社に税務調査が入ったりすれば、あなたが報酬を受け取った記録は税務署に把握されます。そこから無申告が発覚し、追徴課税されれば、結果的に住民税額が変わって会社にバレるリスクがあります。

A.毎年1月1日から12月31日までの1年間です。この期間に確定した売上から、経費を差し引いた所得で判定します。報酬の入金日ではなく、「売上が確定した日」で計算するのが原則(発生主義)なので注意しましょう。

A.原則としてできません。給与所得に対する住民税は、主たる給与(本業の会社)からまとめて特別徴収(天引き)されるのが地方税法上のルールです。一部の自治体では相談に乗ってくれる場合もありますが、基本的には給与所得の副業は会社にバレるリスクが高いと考えてください。

A.確定申告自体は「税金を正しく納める手続き」であり、会社の就業規則とは無関係です。しかし、申告の結果(住民税の通知など)で副業が発覚し、就業規則違反として懲戒処分を受ける可能性はあります。まずは会社の就業規則を確認し、可能であれば許可を取るのが最も安全です。

A.はい、ウーバーイーツの配達員などは雇用契約ではなく業務委託契約となるため、個人事業主となります。報酬は「給与」ではなく「報酬(雑所得または事業所得)」として扱われるため、確定申告で「普通徴収」を選択して会社バレを防ぐ対策が有効です。

A.はい、確定申告をするなら、副業の所得が20万円以下であっても全ての所得を申告する必要があります。 「医療費控除だけ申告して、副業分は申告しない」ということはできません。申告書には全ての所得を記載するルールになっています。

A.freee会計マネーフォワード クラウド確定申告弥生の青色申告 オンラインなどのスマホアプリがおすすめです。レシート撮影機能があり、隙間時間に経費入力ができます。副業レベルであれば、これらのアプリの無料プランや最安プランでも十分管理可能です。

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