freee会計(法人向け)とは?料金・特徴・メリットを徹底解説

「法人化したけれど、経理はどうすればいい?」「個人事業主時代からfreeeを使っていたけど、法人版は何が違うの?」「従業員が増えてきて、経費精算や請求書管理が大変になってきた…」
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。法人化すると、経理業務の複雑さは一気に増します。社会保険、源泉徴収、決算書の作成など、社長一人で抱え込むには限界がある業務ばかりです。そんな中、多くの新設法人や中小企業に選ばれているのが、クラウド会計ソフト「freee会計
(法人向け)」です。
この記事では、freee会計(法人向け)の最新の料金プラン(2025年版)、個人版との違い、具体的な導入メリット、そして注意すべきデメリットまで、専門家の視点から徹底的に解説します。この記事を読めば、自社の成長ステージにfreeeが合っているのか、どのプランを選ぶべきかが明確になります。
目次
freee会計(法人向け)とは?経理自動化で「経営」に集中する
freee会計は、「経理を自動化し、経営者が本来の業務に集中できる環境を作る」ことを目指したクラウド型の会計ソフトです。インストール型のソフトとは異なり、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、常に最新の法令(インボイス制度や電子帳簿保存法など)に対応した状態で利用できます。
個人版との最大の違いは「組織管理」と「経営分析」
個人事業主版のfreeeは「確定申告を簡単に終わらせる」ことに特化していましたが、法人版は「会社を強くする」ための機能が強化されています。
具体的には、複数人での利用を想定した「権限管理」、従業員の経費精算を効率化する「申請・承認フロー」、そして部門別会計や予実管理(予算と実績の比較)といった「経営分析機能」が充実しています。単なる帳簿付けツールではなく、会社の数字をリアルタイムで見える化する「経営管理ツール(ERP)」としての側面が強いのが特徴です。
クラウドERPとしての拡張性(人事労務などとの連携)
freeeの強みは、会計だけでなく、人事労務、申告、受発注といったバックオフィス業務全体を連携させられる点にあります。例えば「freee人事労務」と連携すれば、給与計算の結果が自動で会計に仕訳として反映され、転記ミスや手入力をゼロにできます。このように、業務がつながることで会社全体の生産性を高められるのがfreeeの設計思想です。
2025年最新freee会計(法人向け)3つの料金プラン徹底比較

freee会計(法人向け)の料金プランは、会社の規模や成長フェーズに合わせて3つ用意されています。すべて初期費用・解約料は0円です。(価格はすべて税抜表示)
ひとり法人プラン 記帳特化のミニマムスタート(年払2,980円/月)
- 年額払い:35,760円/年(月換算 2,980円)
- 月額払い:3,980円/月
- 対象: 役員1名のみの法人、またはfreeeの実務経験がある方。
- 特徴:
- メンバー追加は最大2名まで(有料)。
- 基本的な帳簿作成、決算書作成、請求書作成が可能。
- 電話サポートなし(チャット・メールのみ)。
- 経費精算機能なし。
- おすすめな人: とにかくコストを抑えたい「ひとり社長」や、決算だけ税理士に頼む小規模法人。
スタータープラン 新設法人のスタンダード。電話サポート付き(年払5,480円/月)
- 年額払い:65,760円/年(月換算 5,480円)
- 月額払い:7,280円/月
- 対象: これから経理を始める新設法人、従業員数名の小規模法人。
- 特徴:
- 電話サポート付きで安心。
- 3名まで基本料金に含まれる(4人目以降は追加料金)。
- 経費精算機能の利用が可能(従量課金)。
- 経営分析レポート機能あり。
- おすすめな人: 初めて会計ソフトを導入する法人、操作に不安があり電話で相談したい方、従業員を雇い始めた法人。(迷ったらまずはこのプランがおすすめです)
スタンダードプラン 成長企業の経営分析・統制機能(年払8,980円/月)
- 年額払い:107,760円/年(月換算 8,980円)
- 月額払い:11,980円/月
- 対象: 従業員が増え、内部統制や詳細な分析が必要になってきた中小規模法人。
- 特徴:
- スターターの全機能に加え、予実管理、部門別会計(2階層)、ワークフロー(承認機能)、カスタム権限管理などが利用可能。
- 電子帳簿保存法に完全対応した電子証憑管理機能が充実。
- おすすめな人: 部門ごとの採算を見たい、稟議・承認フローをシステム化したい、将来の上場も視野に入れている成長企業。
従量課金(メンバー追加・経費精算など)の仕組み
スターター・スタンダードプランでは、基本料金に含まれる3名を超えてメンバーを追加したり、特定の機能を利用したりする場合に従量課金が発生します。
- メンバー追加: 300円~400円/人・月(一般従業員は無料の場合もあり)
- 経費精算利用: 申請・承認を行ったユーザー1人あたり300円/月
- 請求書郵送代行: 1通あたり150円~(プランによる)
法人こそfreeeを選ぶべき!導入メリット5選
数ある会計ソフトの中で、なぜ法人がfreeeを選ぶべきなのか。その具体的なメリットを5つ紹介します。
- 銀行・クレカ連携で「入力作業」を極限まで削減
法人の取引数は個人とは比べ物になりません。freeeなら、法人口座や法人カードを連携するだけで、明細が自動で取り込まれます。さらに「自動登録ルール」を設定すれば、「毎月の家賃」「サーバー代」などは自動で仕訳登録まで完了。経理担当者が通帳を見ながら手入力する時間を、ほぼゼロにできます。 - 経費精算・請求書発行がこれ1つで完結(承認フローも対応)
通常なら専用ソフトが必要な「経費精算」や「請求書発行」の機能が、freeeには標準搭載されています。
経費精算: 従業員がスマホで領収書を撮影し、申請。上長がスマホで承認すれば、そのまま会計データとして登録されます。小口現金の管理が不要になります。
請求書: 見積書・納品書・請求書を作成でき、ワンクリックでメール送信や郵送代行が可能。発行した請求書は自動で「売掛金」として計上され、入金消込もスムーズです。 - 決算書作成もガイド通りに進めるだけ。修正リスト自動作成機能
法人の決算は複雑ですが、freeeには「決算書作成機能」があり、画面のガイドに従って手順を進めるだけで、貸借対照表や損益計算書、株主資本等変動計算書などが作成できます。特に便利なのが、預金残高のズレやマイナス残高などを自動検知してくれる「修正チェックリスト」機能です。ミスを未然に防ぎ、税理士への提出用データをスムーズに準備できます。 - 経営状況をリアルタイム可視化(予実管理・部門別管理)
「試算表が出るのが翌月末」では、経営判断が遅れます。freeeなら、日々の取引が自動反映されるため、今の売上や利益、資金繰りの状況をリアルタイムで把握できます。スタンダードプラン以上なら、予算と実績を比較する「予実管理」や、事業部ごとの損益を見る「部門別会計」も可能です。 - 電子帳簿保存法・インボイス制度に完全対応で安心
法対応のアップデートが追加費用なしで自動的に行われるのもクラウドの強みです。freeeは、電子帳簿保存法の要件(タイムスタンプ付与や検索要件など)を満たしており、紙の領収書をスキャンして保存すれば原本廃棄も可能です。インボイス制度にも完全対応しており、適格請求書の発行や受取請求書の自動判定など、複雑な業務をサポートしてくれます。
導入前にチェック!デメリットと注意点

導入してから「こんなはずじゃなかった」とならないために、freeeのデメリットや注意点もしっかり確認しておきましょう。
独自の操作感(複式簿記との違い)への慣れが必要
freeeは「借方・貸方」を意識させない独自のインターフェースを採用しています。これは初心者にはメリットですが、従来の会計ソフト(弥生会計など)に慣れ親しんだ経理担当者や税理士にとっては、「直感的に操作しづらい」「修正が面倒」と感じられることがあります。導入時は、担当者が操作に慣れるまでの学習期間を見込んでおく必要があります。
従業員数が増えるとコストが上がる可能性(従量課金)
基本料金はリーズナブルですが、従業員が増えて全員に経費精算アカウントを付与したりすると、従量課金によって月額コストが想定より高くなる場合があります。導入前に、利用予定人数でシミュレーションを行うことをおすすめします。
法人税申告書の作成には別途「freee申告」が必要
freee会計で作成できるのは「決算書(貸借対照表・損益計算書など)」までです。税務署に提出する「法人税申告書(別表など)」を作成するには、別途有料オプションの「freee申告」を契約するか、顧問税理士に依頼する必要があります。freee会計単体で法人税の申告まで完結するわけではない点に注意してください。
結局、自社にはどのプランがおすすめ?
コスト重視のひとり社長なら「ひとり法人プラン」
役員報酬のみで従業員がおらず、経費精算機能も不要なら、月額2,980円の「ひとり法人プラン」が圧倒的にコスパが良いです。ただし電話サポートがないため、ある程度自力で調べられる方向けです。
新設法人・初めての経理なら「スタータープラン」
「経理は初めてで不安」「何かあったら電話で聞きたい」という方は、迷わず「スタータープラン」を選びましょう。電話サポートの安心感は大きいです。従業員が数名いて、経費精算機能を使いたい場合もこのプランがベースになります。
組織化を目指す成長企業なら「スタンダードプラン」
部門ごとの採算管理や、上長承認などのワークフローが必要な規模(従業員20名~など)になってきたら「スタンダードプラン」です。経営分析機能をフル活用して、データドリブンな経営を目指せます。
「freee会計(法人向け)の料金と特徴」まとめ
- プラン:「ひとり法人(2,980円)」「スターター(5,480円)」「スタンダード(8,980円)」の3種類(年払・月換算)。
- 特徴:記帳の自動化だけでなく、経費精算・請求書・給与連携などバックオフィス全体を効率化する。
- メリット:リアルタイムな経営数値の把握、銀行連携による圧倒的な入力削減、インボイス・電帳法への自動対応。
- 注意点:独自の操作性への慣れが必要。法人税申告書の作成には別途ツールが必要。
- 結論:ひとり社長は「ひとり法人」、サポート重視・従業員ありなら「スターター」から始めるのがおすすめ。
freee会計は、単なる会計ソフトではなく、会社の成長を加速させる「経営プラットフォーム」です。
特に新設法人や、これからバックオフィスを効率化したい企業にとっては、強力な武器になります。
まずは**30日間の無料お試し**で、その自動化の威力と使い勝手を体験してみてください。
「freee会計(法人向け)」に関するよくある質問
最大の決定的な違いは「電話サポートの有無」です。ひとり法人プランはチャット・メールのみですが、スタータープランは電話サポートが利用できます。また、経費精算機能の有無や、メンバー追加の上限(ひとり法人は最大2名まで)も異なります。操作に不安がある場合は、スタータープランが安心です。
いいえ、ありません。freeeの無料お試し登録時にはクレジットカード情報の入力は不要です。そのため、お試し期間(30日間)が終了しても自動的に課金されることはなく、自動的に無料プラン(機能制限あり)に移行するか、利用停止状態になるだけですのでご安心ください。
いいえ、freee会計単体では「決算書(貸借対照表・損益計算書)」の作成までしかできません。税務署へ提出する「法人税申告書」を作成するには、別途「freee申告」というサービス(有料)を契約するか、作成した決算書データを基に顧問税理士に申告業務を依頼する必要があります。
はい、可能です。弥生会計やマネーフォワードなどの他社ソフトからエクスポートした仕訳データを、freeeにインポート(取り込み)する機能があります。また、法人契約者を対象に、過去1期分のデータをfreeeが無料で移行代行するサービスも実施されています(条件あり)。これにより、期中の乗り換えもスムーズに行えます。
法人向けプランでは、**「スタータープラン」および「スタンダードプラン」**で電話サポートを利用できます。「ひとり法人プラン」では電話サポートは利用できず、チャット・メールのみとなります。
スターター・スタンダードプランには3名分のIDが含まれています。4人目以降を追加する場合は、権限に応じて追加料金がかかります(経理/経営者権限:月300円~、一般従業員権限:無料など)。また、経費精算などの申請機能を利用するユーザーについては、1人あたり月300円の従量課金が発生します。
「メンバー招待」機能を使って、顧問税理士をfreeeに招待することで、リアルタイムにデータを共有できます。freee認定アドバイザー(税理士など)を招待する場合は、**招待枠(料金)を消費せず、無料・無制限**で招待することが可能です。
はい、豊富なヘルプページや動画マニュアルが用意されています。また、導入時の初期設定をサポートする有料の「導入支援サービス」も提供されています。さらに、freeeに精通した認定アドバイザー(税理士)に初期設定や運用ルール作りを依頼するのも一つの方法です。





