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税務署の「お尋ね」「簡易な接触」は税務調査?無視NGの対応法

2026年1月27日

「ポストを見たら、税務署から封筒が届いていた…」
「知らない番号から電話があって、出たら税務署だった…」
「『お尋ね』って書いてあるけど、これって税務調査なの? やばいことになった?」

こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。税務署からの突然のコンタクト、心臓が止まるかと思うほどびっくりしますよね。何も悪いことをしていなくても、「何か疑われているのでは?」と不安になるのは当然です。

特に最近は、不動産を買った後や、相続が発生した後、あるいは確定申告の直後などに、「お尋ね」と呼ばれる文書や電話が来るケースが増えています。

でも、安心してください。この「お尋ね」は、いきなり家に踏み込んでくるような「税務調査」とは別物です。
正しく対応すれば、何事もなく終わることがほとんどです。逆に、怖がって無視したり、適当な嘘をついたりすると、本当に怖い「実地調査」に発展してしまうリスクがあります。

この記事では、税務署から届く「お尋ね」や「簡易な接触」の正体と、文書の種類ごとの正しい対応法、そして絶対にやってはいけないNG行動について、専門家の視点から徹底解説します。

目次

税務署からの「お尋ね」は税務調査ではない?その正体とは

まず、手元に届いたその文書や電話が、法的にどのような意味を持つものなのかを理解しましょう。

「お尋ね」=「行政指導(簡易な接触)」。強制力はないが回答すべき

税務署が行う調査活動には、大きく分けて2種類あります。

  • 実地調査(いわゆる税務調査): 質問検査権という法的権限に基づいて、帳簿や書類を細かく調べるもの。拒否すると罰則がある。
  • 簡易な接触(行政指導): 電話や文書で、計算ミスや不明点を確認するもの。法的拘束力はない。

「お尋ね」や「申告内容の確認」といった文書は、2つ目の「簡易な接触(行政指導)」にあたります。
税務署側が「申告書の内容にちょっと疑問があるから、確認させてね」「申告が必要かもしれないから、状況を教えてね」と、ライトに聞いてきている段階です。
参照:税務行政の将来像 | 国税庁

法的な強制力はありませんが、「無視していい」という意味ではありません。
税務署は何か根拠やデータがあって連絡してきているので、無視し続けると「怪しい」と判断され、強制力のある「実地調査」に切り替わる可能性が極めて高いからです。

本格的な「税務調査(実地調査)」との決定的な違い

本格的な税務調査の場合、原則として事前に電話があり、「〇月〇日に調査に伺いたい」と日程調整が行われます(事前通知)。そして当日は調査官が自宅やオフィスに来て、一日がかりで資料をチェックします。
税務調査の連絡が来ても慌てない! プロが語る「社長がやるべき準備」と「税理士への頼み方」

一方、「お尋ね」は、文書や電話でのやり取りだけで完結することがほとんどです。
聞かれたことに正しく回答し、ミスがあれば修正申告をする。これだけで済むのであれば、むしろ「調査に来られなくてラッキーだった」と捉えるべきチャンスなのです。

ここに「実地調査とお尋ねの違い比較表」を挿入

なぜ届く?「お尋ね」が来る主なタイミングと理由

税務署は闇雲に手紙を送っているわけではありません。彼らが動くのには、明確なトリガー(きっかけ)があります。

1. 確定申告の内容に計算ミスや不明点がある時(電話・ハガキ)

最も多いのがこれです。提出した確定申告書に、単純な計算ミスや、添付書類の不足、記載漏れがあった場合です。

  • 「医療費控除の計算が合わない」
  • 「扶養親族の所得がオーバーしている」
  • 「ふるさと納税の証明書が足りない」

こういった事務的な確認のために、電話やハガキが来ることがあります。

2. 不動産(マイホーム等)を購入した時(「お買いになった資産…」文書)

土地や建物(マイホームや投資用不動産)を購入して半年ほど経つと、「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という長い名前の文書が届くことがあります。
これは、「その不動産を買うお金、どこから出しましたか?」という確認です。親から資金援助を受けていないか(贈与税の申告漏れはないか)をチェックするのが主な目的です。

3. 海外送金や金(ゴールド)の売却など大きなお金が動いた時

海外送金: 1回100万円を超える海外への送金や受け取りをすると、金融機関から税務署に「支払調書」が送られます。これに基づき、「海外投資の利益を申告していますか?」といったお尋ねが来ることがあります。
金の売却: 金(ゴールド)やプラチナを売却して、一度に200万円以上の現金を受け取った場合も、買取業者から税務署に支払調書が提出されます。売却益の申告漏れがないか確認されます。

4. 相続税の申告が必要そうな時(「相続税についてのお尋ね」)

家族が亡くなった後、数ヶ月経ってから「相続税の申告等についてのお尋ね」が届くことがあります。
税務署は、亡くなった方の不動産や預貯金の情報をある程度把握しており、「この遺産額なら相続税がかかるはずだ」と見込んだ遺族に対してこの文書を送ります。これが届いたら、申告が必要になる可能性が高いです。
参照:相続税の申告要否判定コーナー | 国税庁

ケース別!よくある「お尋ね」文書の種類と対応法

では、具体的にどんな文書が届き、どう返せばいいのか見ていきましょう。

【所得税・消費税】「申告内容の確認について」(書面・電話)

  • 内容: 「経費のこの部分がおかしい」「売上の計上時期が違うのでは?」といった具体的な指摘や質問。
  • 対応:
    • 間違いだった場合: 素直に認めて「修正申告」を行います。早めに対応すればペナルティは最小限で済みます。
    • 正しかった場合: 領収書や契約書などの根拠資料を提示し、正当性を説明します。誤解が解ければそれで終了です。

【資産税】「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」

  • 内容: 購入金額、支払日、資金の調達方法(預貯金、ローン、贈与、借入など)を記入して返送するよう求められます。
  • 対応: 正直に書きます。特に「資金の内訳」は重要です。
    • 自分の貯金から出したなら「預貯金」
    • 親から援助を受けたなら「贈与(特例を使ったか)」
    • 親から借りたなら「借入金(借用書はあるか)」

ここで計算が合わない(購入額 > 調達額)と、「他にも隠し金があるのでは?」「贈与を隠しているのでは?」と疑われます。

【相続税】「相続税の申告等についてのお尋ね」

  • 内容: 遺産の総額が「基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)」を超えているかどうかの確認シート(「相続税の申告要否検討表」など)。
  • 対応:
    • 基礎控除以下の場合: 「申告不要」の欄にチェックし、遺産の内訳を書いて返送すれば終了です。
    • 基礎控除を超える場合: 「申告します」と回答し、期限内(死亡から10ヶ月以内)に相続税の申告書を作成・提出します。この場合、税理士への依頼を強くおすすめします。
ここに「お尋ねが届いた時の対応フローチャート」を挿入

「お尋ね」を無視するとどうなる?リスクと対処

「法的拘束力がないなら、面倒だし放っておこう」
これは非常に危険な賭けです。

無視や虚偽回答は「実地調査(税務調査)」へ発展する可能性大

税務署は、「回答がない=何かやましいことがある」と解釈する傾向があります。
数回の督促を無視し続けると、「簡易な接触」ではらちが明かないと判断され、調査官が自宅や事業所にやってくる「実地調査」に切り替わります。
実地調査になれば、過去数年分の帳簿をひっくり返され、徹底的に調べ上げられます。お尋ねの段階で誠実に対応していればボヤで済んだものが、無視したせいで大火事になるようなものです。

間違いに気づいたら速やかに「修正申告」を(ペナルティ軽減)

お尋ねの内容を見て、「あ、確かに計算を間違えていた」「申告を忘れていた」と気づいたら、すぐに修正申告(または期限後申告)をしましょう。
税務調査の通知が来る前に自主的に修正すれば、「過少申告加算税」がかからない、または軽減されるというメリットがあります。
「指摘されるまで待とう」ではなく、「気づいたらすぐ直す」のが、ダメージを最小限にする鉄則です。

自分で回答?税理士に相談?判断のボーダーライン

届いたお尋ねに対して、自分で対応すべきか、プロに頼むべきかの判断基準です。

単なる記載ミスや事実確認なら自分で対応可能

  • 扶養控除の重複(夫婦でお互いに子供を扶養に入れてしまった等)
  • ふるさと納税の計算ミス
  • 医療費控除の領収書の確認
  • 不動産購入のお尋ねで、資金源が明確(全額ローンと自分名義の預金など)

このように、事実関係がシンプルで、明らかに自分でも説明できる内容であれば、自分で回答書を書いて返送すれば問題ありません。

「資金の出所」や「経費の正当性」を問われているなら税理士へ

  • 不動産購入資金に、親からの多額の援助が含まれている(贈与税の特例など複雑)
  • 副業や個人事業の経費について、「これはプライベートではないか?」と突っ込まれている
  • 売上の計上漏れを指摘されているが、見解の相違がある
  • 相続税がかかるかどうかの判定が際どい

このようなケースは、回答の仕方一つで税金が数百万円変わったり、脱税の疑いをかけられたりするリスクがあります。
自分で判断せず、回答書を出す前に税理士に相談してください。「お尋ねが来たのですが、どう書けばいいですか?」と相談すれば、適切な書き方をアドバイスしてくれますし、必要であれば代理で対応してくれます。
【プロが解説】失敗しない税理士の探し方7つのステップと相談前の準備リスト

「税務署からのお尋ね対応」まとめ

  • 正体:「行政指導」であり、強制調査ではない。しかし無視はNG。
  • 種類:確定申告のミス、不動産購入後の資金確認、相続税の確認などが多い。
  • 対応:期限内に誠実に回答する。間違いがあれば修正申告をする。
  • リスク:無視や嘘は、本格的な「実地調査」を招く最大の原因。
  • 相談:回答に迷う場合や金額が大きい場合は、返送する前に税理士へ。

税務署からの封筒は怖いものですが、開封して中身を見れば、単なる確認作業であることがほとんどです。
慌てず、放置せず、誠実に対応すること。それが、あなたの財産と信用を守る一番の近道です。

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「税務署のお尋ね」に関するよくある質問

A.はい、必ず折り返してください。留守番電話が入っている場合は、担当者の名前と内線番号を確認し、平日の日中(8:30〜17:00)にかけ直しましょう。無視し続けると、勤務先にかかってきたり、自宅に来訪されたりする可能性があります。やましいことがなくても、連絡がつかないだけで怪しまれてしまいます。

A.確率は公表されていませんが、全員に来るわけではありません。不動産を購入しても、ローン控除の申告内容と登記情報から資金の出所が明白であれば来ないこともあります。逆に来たからといって「目をつけられている」とは限らず、単なる機械的な抽出であることも多いです。来ない人は来ませんし、来る人は来ます。あまり確率を気にしても仕方ありません。

A.主に「贈与税の申告漏れ」がないかをチェックするためです。「年収500万円の人が、頭金3000万円で家を買った」となれば、税務署は「そのお金、どこから出たの?親からもらったなら贈与税払ってね」と疑問を持ちます。タンス預金や親族からの借入など、資金の流れを明確にする必要があります。

A.来ることがあります。特に、メルカリやヤフオクなどのプラットフォーム事業者から税務署への情報提供が進んでおり、高額・頻繁な取引があるにもかかわらず申告していない人には、「無申告」を指摘するお尋ねが届くケースが増えています。

A.期限を過ぎても、すぐに罰則があるわけではありません。気づいた時点で速やかに作成して提出しましょう。もし大幅に遅れそうな場合は、文書に記載された担当部門に電話をして「回答の準備をしているが、〇月〇日になりそうだ」と一報を入れるのがマナーであり、心証を悪くしないコツです。

A.バレる可能性は非常に高いです。税務署は銀行口座の動きや登記情報、法定調書など、裏付けとなるデータをすでに持っている状態で質問してきていることが多いからです。辻褄が合わない回答をすると、「怪しい」と判断され、実地調査に移行する決定打になりかねません。絶対に嘘は書かないでください。

A.国税庁や税務署が、ショートメッセージ(SMS)やメールで「税金の未払いがある」などと連絡し、URLをクリックさせたり振込を要求したりすることは絶対にありません。また、自動音声での電話案内も行っていません。怪しいと思ったら、その場では対応せず、管轄の税務署の代表電話番号を自分で調べてかけ直してください。

A.観念して、正直に申告するしかありません。お尋ねが来たということは、税務署は何らかの情報を掴んでいます。今すぐ税理士に相談し、期限後申告の準備を進めてください。調査官が来る前に自主的に申告すれば、加算税が軽減される可能性があります。

A.はい、可能です。むしろ、この段階で依頼するのが賢明です。費用は内容によりますが、回答書の作成代行や修正申告のサポートで数万円〜十数万円程度が相場です。これで将来の税務調査リスクや追徴課税を回避できるなら、安い投資と言えるでしょう。

A.計算明細書の記載ミスや、添付書類(登記事項証明書や契約書)の不備を確認する内容が多いです。また、借入金の年末残高証明書の金額と申告書の金額が合っていない場合などにも連絡が来ます。単純なミスなら訂正すれば済みますが、要件(床面積や所得制限など)を満たしていない場合は、控除が取り消しになることもあります。

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