【プロが解説】失敗しない税理士の探し方7つのステップと相談前の準備リスト

「会社を設立した」「個人事業主として売上が伸びてきた」「相続が発生した」…人生の様々な場面で、ふと「税理士」という存在が頭をよぎる瞬間があります。
しかし、いざ税理士を探そうと思っても、「どうやって探せばいいの?」「料金はいくらかかるの?」「どんな人を選べばいい?」と、分からないことだらけで一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
こんにちは。「税理士コラボネット」を運営しております小林と申します。
私自身、20年にわたり士業の事務所を経営してきました。現在はその経験を活かし、日々、全国各地の税理士の先生方から直接お話を伺い、その実情や特徴を見聞きしています。いわば「税理士のプロ」であると同時に、「税理士を選ぶ側」である経営者の気持ちもよく分かります。
そんな私だからこそ語れる「本音」を交えながら、初めて税理士を探すすべての方が、事業や人生における最高のパートナーを見つけられるよう、失敗しない税理士の探し方を7つの具体的なステップで徹底解説します。
ステップ1なぜ税理士が必要か?「目的」をハッキリさせる
まず一番大切なのは、「あなたが税理士に何を一番お願いしたいのか」という目的を明確にすることです。なぜなら、目的によって選ぶべき税理士のタイプや、かかる費用が全く変わってくるからです。
あなたは、どのタイプに当てはまりますか?
- Aタイプ:確定申告・決算だけをお願いしたい
年に一度、面倒な申告業務だけをスポットで依頼したい。 - Bタイプ:日々の経理から経営相談まで、まるっとお願いしたい
記帳代行や給与計算も含め、顧問として毎月サポートしてほしい。節税や資金繰りの相談にも乗ってほしい。 - Cタイプ:相続税の申告で困っている
人生で一度きりの、複雑な相続手続きと申告を専門家に任せたい。 - Dタイプ:会社設立や創業融資のサポートをしてほしい
起業時の面倒な手続きや、事業計画書の作成を手伝ってほしい。
例えば、Aタイプならコストパフォーマンスの良い税理士、Bタイプなら経営アドバイスが得意な税理士、Cタイプなら何よりも相続の実績が豊富な税理士、といったように、目的がハッキリすれば、探す軸がブレなくなります。
ステップ2税理士を探す「具体的な方法」を知る
目的が明確になったら、いよいよ実際に税理士を探し始めます。探し方には、主に以下の4つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
- 税理士紹介サイト(当サイト「税理士コラボネット」など)
メリット:地域や得意分野(相続、会社設立など)で絞り込みができ、複数の税理士を比較検討しやすい。
デメリット:サイトによって登録している税理士の数や質に差がある。 - 知人・友人からの紹介
メリット:信頼できる人からの紹介なので安心感がある。リアルな評判が聞ける。
デメリット:相性が合わなかった場合に断りづらい。紹介者がいる手前、料金交渉などがしにくい。 - 税理士会
メリット:公的な団体なので安心感がある。お近くの税理士会は日本税理士会連合会のウェブサイトから探せます。
デメリット:税理士を自分で選べないことが多い。「紹介された税理士と合わなかった」というケースも。 - 金融機関・商工会議所
メリット:融資や経営に関わる相談とセットで紹介してもらえることがある。
デメリット:その機関と付き合いのある税理士に限られるため、選択肢が狭い。
全国の税理士の先生方から直接お話を伺う中で見えてきた私の視点から申し上げますと、まずは税理士紹介サイトで「どんな税理士がいるのか」「料金の相場感はどれくらいか」を掴み、その上で他の方法も検討するのが、最も効率的で失敗が少ない進め方です。
ステップ3候補を3事務所ほどに絞り込む
探し方が決まったら、気になる税理士事務所を3つほどリストアップしましょう。一つに絞らず、必ず比較検討することが重要です。
ホームページでは、以下の点をチェックしてみてください。
- 強み・専門分野
「相続専門」「IT・クラウド会計に強い」「創業支援実績〇件」など、あなたの目的と合致しているか。 - 料金体系
料金表が明記されているか。透明性があり、分かりやすいか。 - 所長の顔写真や考え方
所長の理念や人柄が垣間見えると、相性を判断するヒントになります。 - お客様の声や実績
自分と同じような業種や悩みを持つ人の事例があるか。
ステップ4料金体系と「相場」を理解する
税理士探しで最も不安なのが費用面ですよね。ここで料金の基本と相場を知っておきましょう。
【事務所経営者としての経験から】
私自身も事務所経営で痛感しましたが、税理士費用はコストではなく未来への投資です。「格安」を謳う事務所には注意が必要で、安さだけで選ぶと、本当に必要な時に助けてもらえず、結果的に大きな損失を被ることもあります。
実際に、私がご相談を受けた方の中には、「安さで選んだけれど、連絡はメールだけで返事が2週間後にしか来ない。確定申告に間に合うか本当に心配です…」と駆け込んでこられたケースもありました。
料金だけで判断せず、次のステップである「初回相談」で、コミュニケーションの取り方やレスポンスの速さもしっかり確認しましょう。
ステップ5問い合わせをして初回相談のアポイントを取る
候補が絞れたら、いよいよ問い合わせです。多くの事務所が無料相談を実施しています。電話かホームページの問い合わせフォームから連絡してみましょう。
その際、「〇〇という目的で税理士を探しており、一度お話をお伺いしたい」と簡潔に伝えるだけで大丈夫です。
ステップ6初回相談で「良い税理士」か見極める
ここが最大の山場です。無料相談は、あなたが税理士を「面接」する場です。以下のポイントを意識して、あなたにとって最高のパートナーかを見極めましょう。
私がこれまで直接お話ししてきた数百人の税理士の先生方の中で、お客様から長く評価されている先生は、例外なくこれらのポイントを満たしています。特に、あなたの事業の未来に興味を示してくれるか、という点は重要です。
ステップ7契約内容をしっかり確認して契約する
面談を経て「この人にお願いしたい!」という税理士が見つかったら、最後のステップです。契約を急かされても、必ず契約書の内容をしっかり確認しましょう。
- 業務範囲
どこからどこまでが料金に含まれているか。記帳代行、年末調整などは含まれるか。 - 料金
月額、決算料、その他追加料金が発生するケース。 - 契約期間と解約条件
最低契約期間や、解約時の手続きについて。
すべての内容に納得できたら、いよいよ契約です。おめでとうございます!
【最重要】初回相談を成功させるための準備リスト
ステップ6の初回相談を実りあるものにするため、事前に以下の準備をしておきましょう。準備万端で臨むことで、税理士側もあなたの本気度を感じ取り、より質の高いアドバイスをしてくれます。
1.持参すると話が早い書類
- 法人・個人事業主の方
- 過去2~3期分の決算書・確定申告書(国税庁サイトで様式を確認できます)
- 会社の定款
- 会社案内や製品・サービスのパンフレット
- 相続の方
- 固定資産税の納税通知書
- 預金通帳のコピー
- 生命保険の証券
- (あれば)親族関係図
2.事前にまとめておくべき情報
- 事業の概要(どんなビジネスをしているか)
- 年間の売上や利益のおおよその規模
- 従業員の数
- 今、一番困っていること、相談したいこと(箇条書きでOK)
3.必ず聞くべき質問リスト
- 先生の事務所の「強み」や「得意な業種」は何ですか?
- 私と同じような業種や規模のお客様は、何社くらい担当されていますか?
- 料金体系について、契約後に追加料金が発生する可能性があるのは、どのような場合ですか?
- クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)には対応していますか?
- 担当はどなたになりますか?(所長先生?職員の方?)
- 普段のコミュニケーション手段は何ですか?(電話、メール、チャットツールなど)
- 節税について、どのような提案をしていただけますか?
「失敗しない税理士の探し方」まとめ
- まず「何のために税理士を必要とするのか」という目的を明確にする。
- 紹介サイトや知人紹介など、複数の方法で探し、3社程度を比較検討する。
- 料金だけで判断しない。安さの裏にはリスクがあることを理解する。
- 初回相談は「面接」の場。相性や説明の分かりやすさをしっかり見極める。
- 事前に書類や質問を準備しておくことで、相談の質が格段に上がる。
失敗しない税理士の探し方は、単に料金やサービスを比較するだけではありません。あなたの事業や人生に真剣に向き合い、共に未来を考えてくれる「パートナー」を見つける旅です。今回ご紹介した7つのステップと準備リストを活用すれば、その成功確率は格段に上がります。
税理士に相談することは、あなたの事業や財産を守り、成長させるための「投資」です。まずは勇気を出して、最初の一歩を踏み出してみませんか。
当サイト「税理士コラボネット」では、私、小林が直接お話を伺った、信頼できる先生方をご紹介しています。あなたの最高のパートナーを見つけるお手伝いができれば幸いです。まずは、お住まいの地域にどんな税理士がいるのか、確認してみることから始めてみましょう。
税理士探しのご相談もお受けしています
ご自身で選べない、どの先生に相談していいか分からないという方は、下記フォームよりお気軽にご相談ください。私が直接、ご状況に合った最適な税理士探しをサポートさせていただきます。