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税理士報酬の値上げを打診されたら?経営者が納得できる妥当性の判断基準と交渉術

2026年2月28日

「事務所の運営コスト高騰のため、来月から顧問料を月額1万円上げさせていただけないでしょうか」

ある日突然、顧問税理士から届いた値上げの通知。
「えっ、今のままでも安くはないのに…」
「何もサービスは変わらないのに、料金だけ上がるの?」

経営者としては、固定費の増加は少しでも避けたいのが本音でしょう。
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。

実は今、インボイス制度の導入や物価高、人件費の高騰を背景に、税理士業界でも「値上げラッシュ」が起きています。多くの経営者様から「この値上げは妥当なのか?」「受け入れるべきか?」というご相談をいただきます。

結論から申し上げますと、値上げを受け入れるべきかどうかの判断基準は、たった一つです。

それは、「その税理士は、あなたの事業を良くするために役立っているか?」ということ。

もし、その税理士が単なる「事務作業の代行」しかしていないなら、値上げはただのコスト増であり、拒否するか、より安い他社への乗り換えを検討すべきです。
しかし、もし彼らが「経営の参謀」として利益を生み出す提案をしてくれているなら、値上げを受け入れてでも関係を維持する価値があります。

この記事では、突然の値上げ打診に慌てず、冷静に「サービスの品質」と「価格の妥当性」を天秤にかけ、最適な判断を下すための基準と交渉術を解説します。

「来月から顧問料を上げたい」突然の打診。その背景にある業界の事情

まず、なぜ今、税理士たちが一斉に値上げに動いているのか。敵(相手)の事情を知っておきましょう。単なる「便乗値上げ」ではない切実な理由も存在します。

インフレ、人件費高騰、インボイス…税理士も「値上げせざるを得ない」現実

税理士事務所の経費の大半は「人件費」と「システム利用料」です。
昨今の賃上げの流れでスタッフの給与を上げなければならず、さらに会計ソフトや税務ソフトの利用料も軒並み値上がりしています。

加えて、「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」の対応です。これらにより、記帳代行やチェック作業の手間は、以前の1.2倍〜1.5倍に膨れ上がっていると言われています。
「今まで通りの料金では、事務所の経営が成り立たない(赤字になる)」というのが、多くの税理士事務所の偽らざる本音なのです。

その値上げは受け入れるべき?妥当性を判断する3つのチェックポイント

相手の事情は理解できました。しかし、だからといって無条件に受け入れる必要はありません。
経営者として、その値上げが「正当な対価」なのかをシビアに判断しましょう。

1. 「サービス品質」に見合っているか?(ここが最も重要)

これが最大の判断基準です。
あなたの税理士は、以下のどちらでしょうか?

  • A:ただの事務代行屋
    毎月、試算表を送ってくるだけ。節税の提案もなく、こちらの質問への回答も遅い。
    判断: 値上げに応じる必要はありません。事務作業だけなら、もっと安価な代行業者やクラウド会計で代替可能です。
  • B:事業成長のパートナー
    「社長、この数字だと来期の資金繰りが心配です」「新しい補助金が使えそうです」と、事業を良くするための提案をしてくれる。
    判断: 値上げを受け入れる価値があります。良質なパートナーを失う損失の方が、月額数千円〜数万円のコスト増よりも大きいからです。

「事業を良くするために役立っているか」。この問いに「YES」と即答できないなら、値上げは税理士を見直す良いきっかけかもしれません。

2. 「業務量」に見合っているか?(売上増加、仕訳数増加など)

契約当初と比べて、あなたの会社の規模はどうなっていますか?
「売上が倍になった」「従業員が増えた」「店舗が増えた」
会社が成長すれば、税理士の作業量も増えます。この場合の値上げ打診は、正当なものである可能性が高いです。逆に、売上が下がっているのに値上げを言われた場合は、その根拠をしっかり問いただす必要があります。

3. 「相場」と比較して高すぎないか?(他社の見積もりと比較)

提示された新料金が、市場相場とかけ離れていないか確認しましょう。
例えば、年商3,000万円規模で、記帳代行なしの顧問料が「月額5万円」から「7万円」に上がるなら、それは相場(通常3万円〜4万円程度)よりもかなり高額です。
他社のホームページを見たり、見積もりを取ったりして、客観的な「モノサシ」を持つことが大切です。

【料金表あり】税理士費用の相場を徹底解説!顧問料・決算料はいくらが適正?

言われるがままはNG。値上げを受け入れる前の「交渉」と「条件闘争」

「サービスの質は良いから契約は続けたい。でも、言い値で払うのは癪だ」
そんな時は、ただ受け入れるのではなく、こちらの要望を通す「交渉」のカードを切りましょう。

「値上げを受け入れる代わりに、この業務を追加してほしい」と提案する

「分かりました、顧問料のアップは受け入れます。その代わり、今まで別料金だった年末調整を込みにしてもらえませんか?」
「毎月の訪問を、オンラインでもいいので隔月から毎月に増やしてくれませんか?」

単なるコストアップにするのではなく、「サービス拡充」のバーター(交換条件)にするのです。これなら、実質的な満足度を高めることができます。

記帳代行を自社化(自計化)して、逆に値下げ交渉に持ち込む

もし値上げの理由が「記帳の手間が増えたから」であれば、その手間をこちらで引き取ることで、逆に値下げを迫ることも可能です。
「freeeやマネーフォワードを導入して、入力は自社でやります。その分、チェック業務だけにして料金を据え置き(または値下げ)できませんか?」
これは、経理の自立化も進められるため、一石二鳥の戦略です。

税理士を「経営参謀」に変える上手な付き合い方|プロが教えるコミュニケーション術

どうしても納得できないなら。「税理士変更」を検討すべきタイミング

「ただでさえ何もしてくれないのに、値上げなんてあり得ない」
そう感じるのであれば、それは「税理士変更(解約)」を検討すべき明確なサインです。

「値上げに見合う価値がない」と感じたら、それは潮時かもしれない

税理士変更はエネルギーが要りますが、不満を持ちながら高い顧問料を払い続けることは、経営資源の無駄遣いです。
世の中には、ITを駆使してリーズナブルな価格で高品質なサービスを提供する税理士もたくさんいます。
「値上げ通知」は、より良いパートナーと出会うための「招待状」かもしれません。これを機に、他の事務所の話を聞いてみる(セカンドオピニオンや無料相談)のも、賢い経営者の選択です。

税理士の変更、どう進める?トラブルなくスムーズに引き継ぐ手順とスマートな断り方

「税理士報酬の値上げ対応」まとめ

  • 判断の核心
    その税理士は「事業を良くするために役立っているか」。単なる事務代行なら値上げに応じる必要はない。
  • 業界背景
    インボイスや賃上げにより、税理士側もコスト増に苦しんでいるのは事実。
  • 交渉術
    ただ受け入れるのではなく、「業務範囲の拡大」や「記帳の自社化」など、条件闘争を持ちかける。
  • 見直しの好機
    納得できないなら、他社と比較するベストタイミング。より安く、より良い提案をする税理士を探そう。

値上げはピンチではなく、税理士との関係性を見直すチャンスです。
あなたの会社にとって、その支払いは「コスト」ですか?それとも未来への「投資」ですか?
ぜひ、冷静に見極めてください。

税理士探しのご相談はこちら

「顧問料の値上げ」に関するよくある質問

A.現在の顧問料の10%〜20%アップ、または月額5,000円〜1万円程度の値上げ打診が一般的です。いきなり「倍額」などの極端な値上げを言われた場合は、事実上の「契約解除(断ってほしい)」のサインである可能性もあります。

A.はい、業界全体で見られる傾向です。インボイス制度により、領収書一枚一枚の登録番号確認など、記帳代行の作業工数が激増しているため、多くの事務所が料金改定に踏み切っています。

A.可能性はあります。税理士側も採算が合わなければ事業を継続できません。「この料金で受けてもらえないなら、契約満了で」と判断されるケースもありますので、断る場合は次の税理士の目星をつけてからにするのが安全です。

A.義務ではありませんが、税理士の作業量は会社の黒字・赤字に関わらず発生します(むしろ赤字の方が融資相談などで手間がかかる場合もあります)。ただ、「今は苦しいので、半年待ってほしい」といった誠実な相談には応じてくれる先生も多いはずです。

A.全く失礼ではありません。ビジネスにおいて価格の妥当性を確認するために相見積もりを取るのは当然の行為です。むしろ、他社の見積もりがあることで、今の税理士との交渉(引き止めなど)が有利に進むこともあります。

A.絶好の機会です。「値上げは厳しいので、代わりに毎月の訪問を3ヶ月に1回に減らして、料金を据え置きにできませんか?」といった交渉は、非常に合理的で通りやすい提案です。

A.毎月の支払額(顧問料)を変えると抵抗感が強いため、年に一度の決算料で調整しようとするケースです。トータルの年間コストで見て、妥当かどうかを判断しましょう。

A.記録に残す意味ではメールも有効ですが、関係性を維持したいなら面談(オンライン含む)をお勧めします。お互いの事情を話し合い、落とし所を探るプロセス自体が、信頼関係の再構築に繋がります。

A.具体的に何にコストがかかっているのか、自社の業務量が増えたのかどうかを質問しましょう。納得できる説明ができない税理士なら、これを機に変更を検討しても良いでしょう。

A.基本的には発生しません。ただし、契約書に「解約時の違約金」などが記載されていないか確認してください。また、預けている資料の返却送料などは実費負担になることがあります。

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