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税理士を「経営参謀」に変える上手な付き合い方|プロが教えるコミュニケーション術

2026年1月28日

「毎月、顧問料を払っているのに、送られてくるのは試算表だけ」
「経営のアドバイスが欲しいのに、税金計算の話しかしようとしない」
「そもそも、税理士に何を相談していいのか分からない」

こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。
私は仕事柄、全国の税理士とWebミーティングを通じて、何百人もの方とお話しさせていただいています。画面越しではありますが、数多くの税理士と向き合う中で、先生方がふとした瞬間に漏らす「本音」があります。

「顧問先から『提案がない』と言われるけど、そもそも何の相談もされていないのに、勝手な提案なんてできないよ…」

実は、経営者と税理士の間には、深い溝(ディスコミュニケーション)があります。
経営者は「プロなら察して提案してくれ」と思い、税理士は「余計なことを言って責任を問われたくないし、聞かれてもいないことに口出しするのはお節介だろうか」と躊躇している。これが、多くの顧問契約が単なる「事務代行」で終わってしまっている最大の原因です。

顧問税理士と契約する本当のメリットは、面倒な計算代行だけではありません。彼らの頭の中にある膨大な知識と経験を引き出し、自社の「経営参謀」として活用することにあります。

この記事では、普段はなかなか表に出てこない「税理士側の視点・心理」を交えながら、どうすれば彼らのやる気を引き出し、顧問契約の価値を最大化できるのか、その具体的なコミュニケーション術を徹底解説します。

なぜ、あなたの税理士は「提案」をしてくれないのか?

「高い顧問料を払っているのだから、税理士の方から提案してくるのが当然だ」
そう思っている経営者の方は少なくありません。しかし、私が多くの税理士と話して感じるのは、彼らの多くが「待ち」の姿勢にならざるを得ない構造的な理由があるということです。

ここに「税理士のスタンスの違い(リスク回避型 vs 経営参謀型)」を示す図解を挿入

税理士は「察して」はくれない!受け身の姿勢が損をする理由

税理士業界の裏側を少しお話ししましょう。
税理士にとって最大のリスクとは何だと思いますか? それは「指導した内容が間違っていて、損害賠償を請求されること」や「税務調査で否認されること」です。

あるベテラン税理士が私にこう言いました。
「小林さん、下手に『役員報酬を上げましょう』なんて提案して、後で資金繰りが悪化したら『先生のせいだ』と言われるんです。だから、社長から明確な意思表示がない限り、私たちは安全策(過去の処理)をとるしかないんですよ」

つまり、経営者が「察してほしい」と待っていても、税理士は保身のために動けないのです。
「顧問税理士がいるのに、何のメリットも感じられない」と嘆く前に、まずは経営者自身が「私はリスクを取ってでも攻めたいのか」「安全第一で守りたいのか」、そのスタンスを言葉にして伝える必要があります。プロの知識は、正しい「問い」と「方向性の提示」があって初めて引き出されるものなのです。

「記帳代行屋」にするか「経営参謀」にするかは、経営者の接し方次第

もう一つ、税理士側の切実な本音をお伝えします。彼らも人間です。担当者のモチベーションは、「経営者の熱量」に大きく左右されます。

以前、ある若手税理士がZoomの画面越しにこう嘆いていました。
「毎月データをもらっても、社長からは『あとはよろしく』の一言だけ。試算表を送っても反応なし。これじゃあ、僕も『事務処理だけ終わらせればいいか』ってなっちゃいますよ…」

逆に、以下のような社長に対しては、税理士の目の色が変わります。

  • 活用上手なB社長
    毎月、試算表を見て「なぜ原価率が上がったのか?」「来期の投資のために、今月はどう資金を残すべきか?」と食い気味に質問してくる。

こうなると、税理士としてのプライドが刺激されます。「この社長は本気だ。半端な回答はできない」と、事務所に持ち帰って必死に調べたり、所長に相談したりするようになります。

税理士を単なる「記帳代行屋」にするか、会社の未来を相談する「パートナー」にするか。この接し方の違いが、税理士を活用できるかどうかの分かれ道です。
もし、こちらが熱意を持って接してもなお、反応が鈍い、提案がないという場合は、そもそも担当者の能力不足や相性の問題(ミスマッチ)かもしれません。その見極め方については、以下の記事も参考にしてください。

【プロの視点で斬る】良い税理士・ダメな税理士の見分け方 | 7つのポイント

プロの知見を引き出す「魔法の質問」とコミュニケーション術

では、具体的にどのように話せば、税理士のスイッチを入れ、有益なアドバイスを引き出せるのでしょうか。多くの税理士が「こう聞かれると答えやすい」と語る、具体的なテクニックをご紹介します。

抽象的な「どうですか?」はNG!「比較」と「事例」で聞くテクニック

面談で最もやってはいけない質問。それは、試算表を見せられた直後の「先生、うちの会社、どうですか?」という一言です。
これに対し、税理士は内心困りながら「まあまあですね」「利益は出ていますね」といった、当たり障りのない回答でお茶を濁すしかありません。これでは双方にとって時間の無駄です。

プロの知見を引き出すには、彼らの脳内にある「データベース」を検索させるような質問を投げかける必要があります。

  • 「比較」で聞く
    「前期の同月と比べて、交際費が増えているようですが、売上に対する比率としては適正範囲内でしょうか?」「同業種の黒字企業の平均と比べて、うちの粗利率は高いですか?低いですか?」
    → 税理士は数字の比較が得意です。基準を与えることで、具体的な分析が返ってきます。
  • 「事例」で聞く
    「うちと同じくらいの規模で、急成長している会社は、どんな節税対策や投資を行っていますか?」「過去に、資金繰りで失敗したクライアントには、どのような予兆がありましたか?」
    → 多くの顧問先を見ている税理士ならではの「生きた事例」を引き出せます。

顧問料の元を取る!定例面談で必ず聞くべき3つのこと

税理士との面談は、1回あたり数万円の価値があるコンサルティングの時間だと考えてください。多くの税理士は「聞かれれば答える準備はある」のです。漫然と世間話で終わらせず、必ず以下の3点を毎月確認することで、顧問契約のメリットを最大限に引き出せます。

  • 「今のペースで決算を迎えると、納税額はいくらになりそうですか?」
    税理士にとっても、決算直前に「税金が高い!」と怒られるのは一番避けたい事態です。早めに予測を聞くことで、お互いに節税対策を打つ余裕が生まれます。
  • 「もし先生が私の会社の社長なら、今月どこを改善しますか?」
    税理士という第三者の視点で、経営の無駄やリスクを指摘してもらいます。「私なら、この固定費は見直しますね」といった本音のアドバイスが出やすくなります。
  • 「最近、業界で話題になっている税制改正や補助金の話はありますか?」
    担当者が最新情報をキャッチアップしているかの確認と、チャンスを逃さないための情報収集です。

悪い情報こそ早く伝える!信頼関係を築くための鉄則

「売上が落ちている」「実は個人的な借金がある」「取引先とトラブルになっている」
こうしたネガティブな情報を、税理士に隠していませんか?
「怒られるのが怖い」「恥ずかしい」という気持ちは分かりますが、多くの税理士が口を揃えて言うのが「後出しじゃんけんが一番困る」ということです。

「申告が終わった後に『実はこんな売上が漏れていました』とか『資金がショートしそうです』と言われても、もう手遅れなんです。もっと早く言ってくれれば、打てる手はいくらでもあったのに…」
これは、私が本当によく聞く税理士の嘆きです。

税理士は、守秘義務を持つ法律家であり、あなたの味方です。どんなに悪い状況でも、全ての情報がテーブルに乗っていなければ、正しい処方箋(対策)は出せません。
悪い情報ほど、誰よりも早く税理士に共有する。これが、あなたを守り、税理士に依頼するメリットを最大化する鉄則です。

面談の質を劇的に高める「事前準備」リスト

税理士との面談時間が1時間だとして、その場で資料をめくりながら「えーっと、これは何でしたっけ?」とやっている時間は非常にもったいないです。
ある税理士は言っていました。「資料の整理から手伝わされると、コンサルティングどころじゃないですよ」と。
有意義なディスカッションの時間にするためには、経営者側の「事前準備」が9割を決めます。

ここに「面談前の準備リスト(資料・イレギュラー・アジェンダ)」のチェックシート図解を挿入

「とりあえず会う」は時間の無駄。資料とトピックの事前共有法

面談の数日前までに、以下の情報を担当者にメールやChatwork等で送っておくことを強くお勧めします。

  • 最新の資料・データ
    領収書や通帳コピーはもちろん、発生した契約書や、大きな買い物の見積書など。「これ、経費になりますか?」と当日聞くのではなく、事前に見せておくのがスマートです。
  • 今月発生した「イレギュラー」な出来事
    「従業員が辞めた」「新しい取引先が増えた」「機械が故障した」など。これらは全て税務や会計に影響する可能性があります。
  • 当日相談したい「アジェンダ(議題)」
    「今回は、来期の融資について相談したいです」「インボイス対応の確認をしたいです」と事前にテーマを伝えておけば、税理士も資料や回答を準備して面談に臨めます。

このひと手間をかけるだけで、面談の密度は劇的に濃くなります。税理士側も「この社長は時間を大切にしている」と感じ、準備に身が入るはずです。

「税理士を経営参謀に変える付き合い方」まとめ

  • 受け身をやめる
    「提案がない」と嘆く前に、自社の課題や目標を明確に伝える。税理士はリスク回避思考であることを理解する。
  • 質問力を磨く
    「どうですか?」ではなく、「他社と比較してどうか?」「プロならどうするか?」を具体的に問う。
  • 情報をオープンにする
    「後出しじゃんけん」はNG。悪い情報ほど早く伝え、プロの解決策を仰ぐ。
  • 事前準備を徹底する
    面談を有意義な「作戦会議」にするために、アジェンダを事前に共有する。

もし、あなたがこれらを実践してもなお、暖簾に腕押しで、何の反応も返さない税理士であれば、それは明確な「ミスマッチ」です。その際は、あなたの会社の成長ステージに合った、より相性の良い税理士への変更を検討すべき時期かもしれません。

税理士の変更、どう進める?トラブルなくスムーズに引き継ぐ手順とスマートな断り方

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「税理士との付き合い方」に関するよくある質問

A.税理士側の視点で言うと、基本的な連絡や資料の送付は、記録が残るメールやチャットツール(Chatwork、LINEなど)がありがたいです。「言った言わない」のトラブルを防げるからです。ただし、緊急のトラブルや、文章ではニュアンスが伝わりにくい込み入った相談は、遠慮なく電話や対面を活用しましょう。ツールと対面を使い分けるのが、税理士を上手に活用するコツです。

A.基本的には「お金」に関わることなら何でも相談してOKです。売上の悩み、従業員の給与、銀行融資、個人のライフプランなど。税理士の専門外(法律紛争や社会保険の手続きなど)であっても、彼らは弁護士や社労士との横のつながりを持っています。「専門外だから」と断らず、適切な専門家を紹介してくれるのも、顧問税理士を持つ大きなメリットです。

A.全く失礼ではありません。むしろ、税理士業界でも「レスポンスの遅さ」は顧客離れの最大の要因とされており、まともな事務所なら気にしています。2営業日以上返信がない場合は、「先日お送りした件、いかがでしょうか?」と確認しましょう。それでも改善されない場合は、事務所のキャパシティオーバーか、あなたの会社が軽視されている可能性があります。担当者変更や税理士変更を検討するべきサインかもしれません。

A.一般的なアドバイス(試算表の説明など)は顧問料に含まれることが多いですが、事業計画書の作成や、金融機関への同行といった本格的な融資サポートは、別途「成功報酬」や「作成料」を請求する事務所が多いです。これは作業工数が大きいためです。どこまでが顧問料の範囲内かは契約によりますので、トラブルを避けるためにも事前に確認しましょう。
【料金表あり】税理士費用の相場を徹底解説!顧問料・決算料はいくらが適正?

A.はい、可能です。遠慮せず所長税理士に相談してください。所長としても、何も言わずに解約されるよりは、「担当者を変えて継続してもらえるならありがたい」と考えるのが経営者としての本音です。「説明が分かりにくい」「レスポンスが遅い」といった具体的な理由を伝えれば、より経験豊富な担当者をつけてくれるなど、改善するメリットがあります。

A.必須ではありませんし、今の時代は無理に行う必要はありません。税理士も、プロとして業務時間内のコミュニケーションを重視しています。ただ、もし「もっと腹を割って話したい」と感じるのであれば、ランチミーティングなどを提案してみるのも良いコミュニケーションの一つです。

A.契約内容によります。「年1回」のスポット契約の場合、期中の相談は別料金になるか、そもそも対応外であるケースが多いです。もし期中に頻繁に相談したいことが出てくるようであれば、スポット契約から顧問契約への切り替えを検討しましょう。月額費用はかかりますが、タイムリーな相談ができるメリットは経営にとって非常に大きいです。

A.「先生」と呼ばれる職業柄、高圧的な態度の税理士が一定数いるのは事実です。しかし、本来税理士はサービス業であり、経営者をサポートする立場です。萎縮してしまって本音で話せない関係性では、正しい経営判断ができず、税理士に依頼するメリットが半減してしまいます。対等に話せる、相性の良い税理士を探すことをお勧めします。

A.「私の会社の業界について、どう思われますか?」と聞いてみてください。良い税理士なら、日頃から情報収集しているので、業界の動向や他社の事例などを交えて具体的に話してくれます。逆に「まあ、大変ですよね」といった薄い反応しかない場合、あなたのビジネスに関心がないか、勉強不足の可能性があります。

A.税理士側も解約には慣れていますが、やはり感情的なしこりは残したくないものです。「親戚が税理士として独立したので、そちらに頼むことになった」「取引先の指定で変更することになった」といった、角が立たない「嘘も方便」を使うのがスムーズだと、多くの税理士が言っています。立つ鳥跡を濁さず、事務的に淡々と進めるのがコツです。

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