会社設立、自分でやるvs税理士に頼む!費用・時間・手間はどっちが得?

これから自分の会社を立ち上げようという時、期待に胸が膨らむ一方で、「手続きが難しそう」「費用はどれくらいかかるんだろう」といった不安も大きいのではないでしょうか。特に、創業者にとって最初の大きな決断の一つが、「会社設立の手続きを、専門家である税理士に頼むか、それとも費用を抑えるために自分で行うか」という問題です。
こんにちは。「税理士コラボネット」の小林です。私自身も20年にわたり事務所を経営し、多くの起業家が第一歩を踏み出す瞬間を見てきました。また、現在は全国の税理士の先生方から、創業支援のリアルな実情を伺っています。
「設立費用は1円でも安くしたい」という創業時の切実な思いも、「設立後の経営で失敗したくない」という将来への不安も、どちらも痛いほどよく分かります。
この記事では、そんなあなたの疑問にプロの視点からお答えします。費用・時間・手間の3つの観点から「自分で設立」と「税理士に依頼」を徹底比較し、どちらがあなたにとって「得」なのか、判断するための材料をすべてご提供します。
タイプあなたの状況別おすすめ診断チャート
まず最初に、あなたがどちらのタイプに近いか、簡単なチャートで診断してみましょう。
- 質問1:会社設立の手続きに、じっくり時間をかけられますか?
A:はい、調べながら進める時間があります。
B:いいえ、本業の準備で忙しく、時間はかけられません。 - 質問2:設立費用をとにかく1円でも安く抑えたいですか?
A:はい、初期費用は最優先で抑えたいです。
B:いいえ、多少費用がかかっても、確実性を重視したいです。 - 質問3:設立後の税金や、創業融資のことに不安がありますか?
A:いいえ、ある程度知識があり、自分で対応できそうです。
B:はい、専門的なことは全く分からず不安です。
【診断結果】
・Aが多いあなたは「自分で設立」も良い選択肢です!
・Bが多いあなたは「税理士に依頼」するのが断然おすすめです!
なぜこのような診断になるのか、次の章から詳しく見ていきましょう。
費用編「自分で設立」vs「税理士に依頼」のコスト比較
最も気になる費用について、株式会社を設立する場合を例に比較します。
自分で設立(紙定款) | 自分で設立(電子定款) | 税理士に依頼 | |
---|---|---|---|
定款の印紙代 | 40,000円 | 0円 | 0円 |
登録免許税 | 150,000円 | 150,000円 | 150,000円 |
専門家報酬 | 0円 | 0円 | 5万円〜10万円 |
合計 | 約19万円 | 約15万円 | 約20万円〜25万円 |
これだけ見ると、やはり自分で設立する方が安いと感じますよね。しかし、注目すべきは「定款の印紙代」です。税理士は電子定款で手続きを行うため、40,000円の印紙代がかかりません。つまり、税理士に支払う報酬との差額は、実質的に数万円程度になることが多いのです。
また、「会社設立手数料0円」という広告を見かけることがありますが、これは設立後の顧問契約がセットになっている場合がほとんどです。顧問契約を考えているならお得な選択肢ですが、設立だけを頼みたい場合は注意が必要です。
時間・手間編見えないコストを徹底比較
次に、お金には換算しづらい「時間」と「手間」というコストを比べてみましょう。
- 自分で設立する場合
会社設立には、類似商号の調査、事業目的の決定、定款の作成、公証役場での認証、法務局への登記申請など、非常に多くのステップがあります。一つ一つの作業の意味を調べ、書類の不備がないように準備するには、慣れない方だと数十時間はかかることも珍しくありません。もし書類に不備があれば、役所に何度も足を運ぶことになり、さらに時間がかかります。 - 税理士に依頼する場合
税理士に依頼すれば、これらの複雑な書類作成や役所とのやり取りは、すべて代行してもらえます。あなたがやるべきことは、会社の基本事項を決めて、必要な情報を提供し、ハンコを押すことだけです。その間、あなたは事業の準備や営業活動など、創業者にしかできない本来の仕事に集中できます。あなたの時間を時給に換算した場合、どちらが本当に「得」でしょうか。
プロの視点税理士に頼む本当の価値は「設立後」にある

私が全国の税理士の先生方からお話を伺う中で確信しているのは、設立手続きの代行は、税理士が提供する価値のほんの入り口に過ぎないということです。本当の価値は、設立後の事業の成長を見据えた、以下の3つのサポートにあります。
1.節税に有利な会社設計を一緒に考えてくれる
会社の決算月をいつにするか、資本金はいくらが適切か、最初の役員報酬をどう設定するか。これらは設立時にしか決められない、あるいは変更が難しい項目ですが、将来の納税額に大きく影響します。プロは、あなたの事業計画に合わせた最適な設計を提案してくれます。
2.創業融資・資金調達の成功率がアップする
自己資金だけで事業を始めるのは心許ないものです。多くの起業家が日本政策金融公庫などからの創業融資を利用しますが、審査の鍵となるのが「事業計画書」です。税理士がサポートした説得力のある事業計画書は、金融機関からの信頼度を格段に高めます。
3.設立後の面倒な税務手続きも任せられる
会社を設立したら、税務署や都道府県などに「法人設立届出書」や「青色申告の承認申請書」といった書類を提出しなければなりません。特に青色申告の承認申請は、提出期限を1日でも過ぎると、初年度の大きな節税メリットを受けられなくなってしまいます。こうした「知らなければ損をする」手続きを、漏れなく代行してくれる安心感は絶大です。
「会社設立、自分でやるvs税理士に頼む」まとめ
- 費用の面では、数万円の差で「自分で設立」する方が安い。
- 時間と手間の面では、貴重な創業期の時間を本業に集中できる「税理士に依頼」が圧倒的に有利。
- 将来性の面では、節税、融資、設立後の手続きまで見据えたサポートを受けられる「税理士に依頼」に大きな価値がある。
会社設立は、あなたの事業のスタート地点です。目先の数万円を節約することも大切ですが、その選択が、将来の数百万円の利益や、事業の成長スピードに影響を与える可能性も考えてみてください。
あなたの事業にとって、何が最も重要か。この比較を参考に、ぜひ最適な選択をしてください。
当サイト「税理士コラボネット」では、私、小林が直接お話を伺い、特に起業・会社設立支援に強い、信頼できる先生方をご紹介しています。あなたの情熱を形にするための、最高のパートナー探しをお手伝いできれば幸いです。
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